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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第20章 ★文学少女の恋愛論《二口 堅治》



家に着くと、案の定母さんがうるさかった。あら堅治、あんたの彼女なの?可愛いのねぇ!せっかくだからご飯食べてってね、お家の人は心配しない?苦手なもの無い?

矢継ぎ早に質問をふっかける母さん。俺が適当にあしらい、海宙に賑やかでゴメンな、と謝った。するとどうだ。彼女はとびきりの笑顔で、素敵なお母さんですね、だと。

それから、母さんは張り切って夕飯を用意した。海宙まで引っ張っていったので、何させてるんだよ、と顔をしかめた。

すると母さんはけろりとした顔で、お嫁に来るんだからうちの味を知ってた方が良いでしょ?だと。ったく、気が早いっつーの。

普段より豪勢な食事を食べながら、母さんはやっぱり質問をふっかける。俺の存在は、いつの間にか空気と化していた。

「へぇ、海宙ちゃんは1年なのね。堅治とはいつ知り合ったの?」

『2ヶ月くらい前でしょうか。二口先輩には、私の友人を通じて知り合いまして…』

「へー、そうなのぉ。ってことは随分早くに付き合い出したのね」

『お互いに惹かれ合っていましたし、時間の経過はあまり関係無かったのかと』

「んまー、海宙ちゃんたらロマンチックなことを言うのね」

そんな…と頬を赤らめる彼女を、柄にも無く愛しいと思った。彼女の動き1つ1つに惹かれ、新たな面を知る度に、胸踊る自分がいるのに驚く。

一人黙々と味噌汁をすすっていると、母さんがまたしても質問をしていた。

「ところで海宙ちゃんは堅治のどこが好きになったの?」

「ブッフォ!」

思いっきり吹き出した。幸いにして、誰もいない方向だったが、母さんからは、汚いわねぇと小言が飛んできた。

「海宙、こんなババァの話は良いよ」

「失礼ね、あんたって子は」

『ふ、二口先輩は面倒見が良いんです。バレー部の主将になる前は問題児だったと3年の先輩が仰っていましたが…』

クソ、鎌崎さんだな…

『後輩のことをしっかり見ていますし、的確なアドバイスもしています。それに然り気無くお手伝いでやっていたマネージャーのお仕事なんかも手伝ってくれたり…』

すごく、優しいなぁ、と。

それはそれは嬉しそうに話す海宙。母さんからの視線が気恥ずかしくて、無言で白飯をかっ込んだ。

クソ、なんなんだよ…カワイイな…///


     
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