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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第20章 ★文学少女の恋愛論《二口 堅治》



翌日。今日もお昼に紫乃ちゃんとガールズトーク。授業中にこっそりもう1冊を読んでたけど、バレなかった。

「海宙ちゃんってさ」

『ん?』

「時々チャレンジャーなことするよね」

『そうかな…昔から話の続きが気になったりしてたら普通に授業中でも読んでたからね』

バレない読み方は熟知してたり。それからどんなことをしたら距離が近くなるか、とか、どんなことをしたらキュンとしてくれそうか、などを話した。

と、そこへやって来たのはバレー部の1年の2人、作並君と黄金川君だった。

「何してんの!」

「こ、黄金川くん、話し中じゃ…」

興味津々!といった様子の黄金川君に対して、作並君は割り込むのはちょっと…といった様子。普段はこんな彼らだが、試合になると頼もしいぜ、と二口先輩は言っていた。

「はいはい、男子禁制。戻った戻った!」

『紫乃ちゃん待って。ねぇ2人とも、男子の意見を聞きたいんだけど』

「何?」

『どんなことされたらドキドキするかな?』

「ドキドキ?う~ん…」

真剣な表情で腕を組み(こっちから見たら十分にわざとらしいけど)、考え込む黄金川君。

「不意打ちで何かするとか?」

『具体的には、何を?』

「抱き付くとか、ちゅーする、とか?」

『なるほど…』

ふむふむと頷く私に、おずおずと作並君は話し掛けた。

「あくまでも黄金川君の意見だから、そんなに意識しなくても良いと思うよ」

『そうなの?』

「えっと、こういうのを訊くのは、つまり、青根先輩と二口先輩のためだよね」

『まぁ、否定はしないけど』

「これは僕の意見だけど…付き合っている子がいて、その子が自分のことをちゃんと好きでいてくれて、それを素直に伝えたり体現してくれるだけで十分だと思うよ?」

『そう、かもね…』

その時、昼休みの終わりのチャイムが鳴り、移動教室に向かうことに。

5現目、電子回路について熱弁する先生の話を左から右に聞き流しながら、窓から覗く晴れやかな空を見上げた。

わざわざ本を買うまででもなかったのかもしれない。ヒントは身近なところに、そして、そのヒントから導かれる答えは、案外簡単だったりするのだから。


   
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