Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第19章 ☆ドキドキデート《赤葦 京治》
向かったジェットコースターは、それほど混んでいなく、次にでも乗れそうだった。程無くして係の人に案内され、ジェットコースターに乗り込む。場所は真ん中らへん。
いってらっしゃーい!と聞こえ、ガタガタと動き出す。緩い傾斜を上れば、きっとすごい下りが待っているのだろう。
『そういえば、赤葦君は絶叫系平気なの?』
「俺は平気です。ただ、反応が薄いんで、木兎さんにはつまらないと言われました」
『へぇ、そうな…うにゃあぁぁぁあっ!?』
「わ、思ったよりすげ…」
猛スピードで落下する私の耳をゴーッと風が掠める。下りきったと思えば上って、また下りて。それからぐるぐると回って。
『きゃあぁぁぁあ!!!』
「わー、すごーい」
最後の坂を下り、スピードが落ちてスタート位置に戻ってきた。お疲れさまでしたー!とアナウンスが聞こえ、赤葦君の手を借りて立ち上がる。
ふらふらするなぁ、ちょっと酔ったかも。でも、久し振りだからかな、楽しかった。う~んと伸びをして後ろの赤葦君に笑い掛ける。
『あー、楽しかった、ね!』
「俺としては、ジェットコースターもですけど、海宙さんの悲鳴が楽しかったです」
『え、何て言ってたっけ…?』
「ふにゃあ!ときゃあ!です」
『…恥ずかしいから忘れてください///』
「ヤですよ。せっかく聞けたかわいい声だったのに。それに…」
今のでもっと、海宙さんのこと
知りたくなりました。
弱い耳元で聞こえる彼の声。ぞくりと背筋が震え、それだけで私はノックアウトされちゃう。頬が熱を熱くなるのを感じつつ、彼を窺うと、なんとも妖艶な笑みを浮かべていた。
『み、耳はやめてね…///』
「ふぅん、耳が弱いんですか」
これは使えるな、と呟く彼。それからSっ気たっぷりの笑顔で言った。
「さ、早く次に行きましょうか」
貴方がそんなに愉しそうなのは、私の弱点を炙り出したいからですか?
私の知らない彼の一面。そこには超が付くドSだということも含まれていたようです。