Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第19章 ☆ドキドキデート《赤葦 京治》
バスを降り、少し歩くと遊園地。ディズニーランド程じゃないけど、賑わってるし、アトラクションもなかなか楽しい。地元民にしてみれば、けっこう穴場だったりする。
入園料を払おうとサイフを出そうとすると、スッと赤葦君に止められた。
「こういうのは、男が払いますよ」
『え、でも…』
「後でキス、いっぱいしてくださいね?」
『うん、わかっ、た…///』
カッコいいことを言う赤葦君にキュンとしつつも、頭は既に後で降るであろうキスの雨のことでいっぱい。付き合ってみて分かったけど、赤葦君は意外とキス魔なのだ。
学校でも不意打ちでしてくるから、こっちはバレないか気が気じゃないのに。それでも嫌だと言えない私は、彼にぞっこんなのだろう。
貰ったパンフレットを覗き、最初にどれに乗るかを相談する。
『赤葦君、どれが良い?』
「俺は海宙さんが乗りたいやつで」
『そう?じゃあジェットコースターかな』
「じゃ、行きましょうか」
然り気無く伸ばされた手、それを繋ぎ歩き出す。スラリと脚の長い彼は、いつも私にペースを合わせてくれる。我が彼氏ながら、できすぎじゃないですかね?
こんな彼氏がいるなんて、夢みたい。そう思う私の心を読むかのように、彼は言った。
「海宙さん、夢じゃないですからね」
『え、エスパー!?』
「顔に出てましたよ」
『そ、そうかな…?』
「俺は海宙さんしか見てません。だから安心して、俺のこと好きでいてください」
不思議な言葉にクスリと笑う。なんだかくすぐったくて、私ははにかみながら言った。
『ありがと、赤葦君!』
繋いだ手をぶんぶん振って、ジェットコースターまでの、道のりを歩いたのでした。