Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第18章 夏の病?《チーム音駒》
時間は飛んで、帰り道、である。買い出しに付き合うのは俺と夜久と研磨と芝山とリエーフの計5人。一人当たりどれだけ、という制限もあるので多い方が良いとのことだった。
ちなみにリエーフの頬には真っ赤な紅葉のような手形。誰のものかは言うまでも無い。
『なんかすいません、付き合わせちゃって』
「別に。ムリ言ってマネージャーになってもらったのもおれのせいだし」
ネガティブ発言に聞こえなくもない研磨に、蒼井はやわらかく笑った。
『ううん、そんなこと無いよ。孤爪が誘ってくれたお陰で、私は毎日楽しいから』
「そっか…」
そう呟いたきりスマホの画面に目を移す研磨。今流行りのポケモンgoだろうな。スマホをいじるその頬は、うっすら染まっている。
「あれ、研磨さん顔赤いっすよ?」
「リエーフのバカ。明日の基礎練5倍」
「なんでっすか!?」
『やーい、リエーフざまぁ(笑)』
「先輩、ごめんなさいってば!」
ぷーん、とそっぽを向く蒼井。大層ご立腹である。
「リエーフ、お前終わったな。あんなに蒼井のこと好きだー好きだーって言ってたのにな」
「ちょ、クロさん!?」
『え、そうなんだ。ふぅん…』
どぎまぎするリエーフ。それから蒼井は少し考えてからにこりと笑った。
『リエーフあのね。私ちゃんと好きな人いるの。だから今は、ごめんなさい』
「あ、そうなんすか…でも俺、諦めません」
諦めないぞぉっ!と拳をおーっと挙げるリエーフ。青春してるなぁ。
「ところで、蒼井は誰が好きなの?」
『ふふふ、夜久さんってば。ヒミツですよ』
「僕も気になります!」
『芝山も!?』
思わぬ声に驚く蒼井。う~んと唸ってからそれじゃあ、と話し出した。
『割りとみんなの身近な人です。ふざけたこといったりするけど、カッコいいんだよね』
「分かった、俺だ!」
『うん、リエーフじゃ無いよ』
「ガーン!」
「立て線入ってるぞ、リエーフ(笑)」
そうこうしているうちに、店に到着。近場のドラッグストア、音駒高校運動部の御用達である。
『黒尾さん、カゴお願いします』
「へーい」
蒼井の好きな奴が誰か気になったけど、まぁいつか分かるだろ。渡された買い物カゴを片手に、俺らは店を回るのだった。