Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
ブロロロロ…とバスのエンジン音が響く。それを掻き消すくらいの笑い声。
「なぁ、蒼井」
『ふぁい、らんれふはまふははひゃん』
振り向いた蒼井はモグモグとポテチを頬張っていて、何を言ってるかさっぱり分からなかった。ほっぺが膨らんで、ちょっと小動物みたいだ。及川と違って愛嬌がある。
「ごめん、もっかい言って」
『すいません、なんですか?』
「旅館出るときにさ、ミドリさんに何言われてたの?真っ赤だったけど?」
そう言うと、ボンッと音がするんじゃないかってくらい、赤くなった。ついでに煙も出て、オーバーヒート?
『いや、あのですね。次に来るときは、彼氏と2人でおいで、とかなんとかって…』
「ふぅん。じゃあ俺それに立候補するわ」
『ふふ、そうですか………え?』
目を丸くする蒼井にニヤリと笑う。
「だからさ、次は親子じゃなくて彼氏彼女に見えるようにしような」
それが何を意味するのか、気付いた蒼井はやっぱり赤くなった。目敏くそれに気付いた及川が、話に首を突っ込んできた。
「ちょっとまっつん、抜け駆け禁止!」
「わりぃ、ついな」
「ズルいですよ、松川さん」
そう言ったのは国見。
「お前もそのクチか」
「金田一もですからね」
「え、いやちょっと!///」
その会話についていけない若干一名。
『え、何がズルいの?』
キョトンとする蒼井。鈍感な彼女に俺は懇切丁寧に教えてやった。
「あのな、俺ら全員蒼井が好きなの」
『へぇ、そうなんだぁ………はぁっ!?』
はい、今日一番のリアクション貰いました(笑)全員の視線が蒼井に集まる。岩泉の目線とオーラが怖いが、事実だ。
『えっ、ちょっ、なっ、まっ…』
待ってと連発しながら、蒼井は膝を抱え、頭を埋めた。ぽつりと呟く。
『どうしようなんか、照れる…っ///』
その一言に昇天した人、蒼井以外全員。