Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
【松川 side】
朝ご飯を食ってあっという間に帰る時間。玄関には、ミドリさんと(存在感を無くしていた)陸人さんが見送りに来てくれた。
『何から何まで、お世話になりました』
「良いのよぉ、また遊びに来てね」
「バレーだっけ?頑張って全国行けよ」
『ふん。言われなくても行きますぅ』
「おーおー、生意気なヤツめ」
最後まで張り合ういとこ組。影山と及川のやり取りに似てる気がするのは気のせいか。
それからミドリさんは蒼井を手招きした。コソコソと耳元で話すと、蒼井は顔を真っ赤にした。それをミドリさんはけらけらと笑う。何が起きてる?
『あーもう、帰りますね!』
「はいはい。気を付けてね?」
「じゃな。今度はもっと長く泊まってけよ」
『うん。またね!』
こうして俺らは下田、伊豆半島を後にした。来た時同様にスーパービュー踊り子に乗り横浜へ。乗り換えて東京に行き、そこからはバスの旅。
またしても貸し切り状態。それと、毎度お馴染み、座席でもめますね。
「だぁかぁらぁ、狂犬ちゃん!」
「何すか?」
「なんで海宙ちゃんの隣なの!?」
『及川さん、あの…』
「「うわぁ…」」
花と呟く。
窓側に座る京谷、その隣に蒼井。通路を挟んだ及川が身を乗り出して京谷に噛み付くもんだから、蒼井が可哀想。
「蒼井、昨日の賭け今使う。帰りのバスは俺の隣に座ってろ」
『お、リョーカイあいあいさー』
「いつの間に賭けてたの、ねぇ!?」
「花ぁ、いつ賭けなんてやってた?」
「あー、花火じゃねぇ?たしか金田一と国見がそんなこと言ってたっけ」
花火か、なるほど。つか蒼井の返事。了解にアイアイサーってなんの組み合わせだよ。岩泉の隣で膨れる及川。上から一口チョコを1つ落としてやれば、驚いた顔で振り向いた。
「まっつん?」
「やるよ。食え」
「サンキュー、まっつ…」
「岩泉は3コやる」
「扱いの差、ねぇ!」
「及川さんドンマイでーす」
「国見ちゃんそれ思ってる!?」
やっぱり、及川はイジられる運命だそうだ。