Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
【蒼井 side】
思ったより時間かかっちゃったな。トイレを出てみんなの所に行こうとすると、トンっと誰かに肩がぶつかった。
『あ、すいません…』
「あれ、カワイイ子見っけ~」
その言い方に嫌悪感を覚えつつ、顔を上げる。ほら、見た目もチャラい。
「ひとり?俺らと遊ばね?」
ぶつかった人が言う。
『ごめんなさい。連れがいるんで…』
「いいじゃ~ん、遊ぼうよ」
『あの、けっこうです』
「タノシイコトしよーぜ」
後ろの取り巻き2人もニヤニヤと薄ら笑いを浮かべながら言った。ああもう、面倒くさい、一番嫌いなタイプの人間だ。
不意にリーダーらしき男が腕を掴んできた。振りほどこうとするも、力強く握られていて離れない。
「てかさぁ、けっこう良いカラダしてんじゃん。ヤろうぜ」
『あの、本当にごめんなさい』
「おら、行くぞ」
『イヤだ、放して…放せ!』
「ハイハイ、暴れないよ~」
全力で足掻き、もがくも、ずるずると引きずられる。後ろから背中を押され、腕を引かれてしまえばどうにもできない。
人気の無い小屋に連れ込まれれば、不安が倍増する。昔は海の家だったのだろうか。綺麗ならばオシャレだったろうに、今はホコリを被って薄汚れている。
手を放され、ドサッと床に倒れる。
『いっつ…』
「さぁて、じゃあ…」
ヤりますか
その言葉にゾクリと背筋が粟立った。