Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
結局、さっき言ったやつとその他色々注文して、みんなでつっつくことになった。が、食事の風景は若干争奪戦だった。
「花、お前それ食いすぎ」
「お前だって食ってるべ」
『あー、それ、焼きそばとって』
「…ん」
『京谷ありがとー』
「先輩、お好み焼きほしい」
『はいはい、国見待ってね』
「もご、もごもがご!」
『金田一、口の中無くなってから喋ってね』
「岩ちゃん、あ~ん♪」
「気持ちわりぃ…っ!」
及川さんが例の如く岩泉さんに絡む。端から見るとただのアホだ。
男子高校生の食欲にかかれば、料理はあっという間に無くなっていく。国見と蒼井で一人分だとしても、7人分。そこで、追加の注文をすることになった。
『何食べたい?』
「ざるラーメン」
「お好み焼き」
「焼き鳥追加で」
「アイス」
『花巻さん、それデザートですから。とりあえずその3つ買ってきますね。京谷、運ぶの手伝ってね』
「おう」
頼んだ料理はすぐに出てきて、それから第2次ご飯争奪戦が始まった。さっきよりペースは遅いものの、あれよあれよと減っていく。
『じゃあデザート買いに行こ?』
それからデカいの7人とちっこいの1人は、それぞれに食べたいデザートを買った。
「蒼井の何それ」
メロンシロップのかかったかき氷を食いながら訊いた。同じ緑なのに、少し違う。
『宇治抹茶かき氷、なんか美味しそうで。京谷のは何味なの?』
「メロン。食う?」
『食べる』
そう言うと、蒼井はあ~んと口を開けた。しゃく、とかき氷を掬い小さく開けられた口に放り込む。しゃり、しゃり。
『ん~、頭キーンってなる!』
「俺も、食いたい」
『抹茶と小豆とか平気?』
「食う」
『はい、あ~ん』
口を開ければひやりとかき氷。ほろ苦い抹茶にほんのり甘い小豆の味。うまい。
「狂犬ちゃん、いつの間に…!」
『及川さんにはあげませーん』
「海宙ちゃん、それ間接キスだよ!?」
『あ…あんまり気にしてなかったや』
そう言って笑う蒼井。もぐもぐするのを見ながら思った。俺的には、得したな。