Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
だんだんと水深が深くなり足が付かなくなって浮かび上がる。あ、これじゃあ進めない。
『誰かぁ、引っ張って~!』
「ほいよ、お姫様」
てっきり及川さんが来るかと思ったら、松川さんだった。浮き輪から延びる紐を引っ張り、水を掻き分けて進んでいく。この身長差、なんか…
「まっつんと海宙ちゃん」
「「親子みたいだな」」
『岩泉さん、花巻さん!それ私も思っちゃったんで言わないでください!』
「やっぱり?俺もちょっと思った」
笑いを堪えながら松川さんが言った。
『も~っ!』
「先輩、牛になりますよ!」
『~っじゃあどうすれば良いのよ!?』
珍しく金田一がからかう。笑いを堪えきれなくなった松川さんがげらげらと笑う。先輩をからかうとはなんなんだ、国見といい金田一といい!
『このぉ、金田一め!』
「冷てっ!?」
バシャッと金田一に水を掛ける。金田一もやり返してきて、それが私じゃなくて岩泉さんの顔面にヒットした。
「…オイ(怒)」
「すんませっ…」
「仕返しだッ!」
バッシャンと金田一が頭から濡れる。それからは水の掛け合い。誰が誰に掛けたと言うより、とりあえず誰かに掛けた、みたいな。
『及川さん盾になって!』
スイと動いて及川さんの後ろに隠れる。
「任しておいt…ちょっと、なんでみんな集中攻撃してくるの!?」
「今ならお前逃げねーだろ」
「チャンスだもんな」
「俺の気持ちを利用して…うりゃー!」
「わ、冷てぇ!」
「こんにゃろー!」
両腕をぶんぶん振り回す及川さん。広範囲に及ぶ攻撃は、みんなに命中。ついでに言うと、後ろの私も濡れてますね、ハイ。
それから波に乗ったり水掛けたりたくさん遊んだ。金田一のお腹が鳴ったところで、お昼にしようということになった。