Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
現在、浅瀬にてビーチバレー中。ポスッポーンとボールが飛ぶ。
『…海に来てもバレーなんだね』
「この方が及川サンがイケメn…だっ!?」
「ウザい」
「帰れ」
「死んどけ」
「いつもよりも冷たいよ!?」
「金田一、お腹へった…」
「国見腹へるの早すぎだろ」
「眠てぇ…」
『京谷寝過ぎじゃないの?』
アンダーやオーバーでボールを回しつつそんな会話をする。みんな器用だ。かく言う私も会話に混ざってるけど。
「岩ちゃん!」
「ォラッ!」
『わっ!』
及川さんがトス、それを岩泉さんが打った。試合の時みたいに。勢い良く打たれたボールは、私の足元に着水。びっくりした私はパシャンとコケた。
『冷たい、でも気持ちぃ!』
「悪い、大丈夫か?」
『うん。ありがとうございます』
差し伸べられた岩泉さんの手をありがたく借り、立ち上がる。私のと違うごつごつと骨張ったその手に、どきりと心臓が跳ねた。
「せっかくだしもっと深いとこ行くか」
『私は泳がないで漂うだけだよ?』
「溺れそうになったら助けるから良いだろ」
『じゃあ行く。あ、待って。髪結びたい』
手首に付けてるヘアゴムで、下ろしていた髪をポニーテールにまとめる。
『よし、できた!』
「…うなじ、エロい」
『京谷、あのねぇあんた懲りないの?』
「素直な感想だ、バーカ」
『ハイハイ』
京谷の扱いにもなんとなく慣れた。多分こいつは、思ったことをポンと口に出しちゃう質なのだ。あまり深く追求しないのが良い。
それから、ぐでぐでになった国見は京谷と戻った。まだまだ元気な3年生と私と金田一は、打ち寄せる波に気を付けながら沖へと進んだ。勿論、私は浮き輪を装着。
さあ、泳ぐ(漂う)ぞ~!