Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
30分くらい探して、パラソルの下に戻る。さすがに暑いし、水分補給もしなくては。
『で、2人ともどう?』
「けっこう見付かったよ」
「どうすか!?」
ずい、と手を見せる金田一の手には、たくさんのシーグラス。シーとの上に自分が拾ったものを並べ、見せ合う。
1番多かったのは青っぽい、水色の。ラムネのビンとかかな?次が茶色と透明、白。たぶんビールの。珍しいのは緑とかピンクとか。
「先輩貝殻も拾ったんすか?」
『うん。あ、国見のこれ、綺麗…』
「なんか偶然拾った。先輩コレ要る?」
黄色っぽい、オレンジっぽい、ハチミツ色のシーグラス。手に取って太陽に透かすと、光が反射してとっても綺麗。
『貰って良いの?』
「どうぞ。俺はこの1コだけで十分です」
国見は言いながら青い大きなシーグラスを手に取った。
「俺のも、全部あげます!」
『良いの?ありがとう!これね、ガラスのボトルに入れて飾るとオシャレなんだぁ』
そう言いながら笑う。はしゃぎ方が子供みたいだなって自分でも思った。でも、たまのお休みくらい、良いじゃないか。それにここは海、弾けたって良いじゃないか。
金田一と国見に貰ったシーグラス、それと自分のをハンカチにくるんでポーチに入れた。その時、おーい、と呼ばれた。
「悪い、待たせたな。及川がな…」
『あ、岩泉さん、及川さん』
浮き輪を持って歩いてくるのは岩泉さん。それと、及川さんも。
『解放されたんですか?』
「ああ。俺、じゃなくてクソ川がな」
「ひどーい岩ちゃん。ねぇ、マッキーたちもう泳いでるんでしょ?俺たちも行こうよ」
「国見も、行くぞ」
「えぇ…」
やっぱり嫌そうにする国見を金田一が引っ張り花巻さんたちの方へ向かう。はしゃぐ及川さんがそれを追う。
「なんか…」
「『小学生…』」
ハモった。顔を見合わせ、プッと吹き出す。
「デカいガキにしか見えねぇ」
『あはは、本当』
サンダルを脱ぎ、岩泉さんからビーチボールを受け取った。裸足になって波打ち際へ向かう。打ち寄せる波がキラキラと輝いていた。