Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
花巻さんと松川さんは嫌がる京谷を連れて海へ泳ぎに行った。及川さんと岩泉さんは浮き輪とかを借りに行った。のに、戻ってこなくて様子を見に行ったら女の人に絡まれてた。
「へぇ、とーるくんっていうんだ!」
「ってか、背ぇたかーい!カッコいい!」
「そっちの黒髪くんもイケメーン!」
キャーキャーと黄色い声を浴びる2人に、声を掛ける気は失せた。
『何よ、2人ともチヤホヤされて…』
ぶつぶつ言いながら、金田一と国見の元へと戻る。好きなわけじゃない。なのに知り合いがあんな状況にいるとイヤだから不思議だ。
「あれ、及川さんは?」
『女の人にキャーキャー言われてた。しばらくは戻ってこないんじゃない?』
「及川さんは予想つくけど、岩泉さんも?」
『右に同じ』
何気に貶してる国見。
『仕方無い、3人で遊ぼっか!』
「何するんすか?」
『何しよう!』
「考えてないんだ」
フッと鼻で笑う国見、一々腹立つなぁ。ふと思い付いた私は、すっくと立ち上がった。
『じゃあシーグラス、探そう』
「シーグラス?」
なんだそれは、とでも言いたげな2人。
『ガラスの欠片。角がとれて丸くなってるの。キラキラして綺麗なんだよ?』
「へぇ、見てみたいっすね!」
『でしょ?ちょっと砂粒が粗いところにならあるだろうから、あっち行ってみよう』
「えー、俺もー?」
「国見も行こーぜ!」
少し走って後ろを振り向く。金田一が嫌がる国見をずるずる引きずっていた。その光景が可笑しくて、クスリと笑った。
砂で走りにくいハズなのに、足取りは軽い。久々の海で少し浮かれてるのかな、なんて思いながら、3人でシーグラスを探した。