Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
【蒼井 side】
後ろから国見が抱き付くから何かと思ったら、ラッシュガードを脱がせてきた。されるがままでいると、本当に脱がしやがった。あんにゃろう…
みんなの視線が痛い、というか気になる。
『あの、そんなに凝視しないで…』
「もう岩ちゃん、センス良すぎ!」
「金田一、鼻血出すなよ」
「っ、ハイッ!」
「しっかし、似合うなー」
それぞれの感想を口にするみんな。後ろの国見を振り替えってぎょっとした。
『ちょ、国見あんたパーカー着てる!』
「焼けるのヤですから」
『な、なんで私ダメだったの!?』
「せっかくなんで、見せましょうよ」
とりつく島もない態度の国見。後輩のクセに生意気だとか言ったら、たった1年です、と返されそうなので閉口した。
『あーもう、日焼け止め塗るから良いもん!』
ポーチから日焼け止めのぼとるを取り出して、フタを開ける。軽く振って、白い液体をまんべんなく腕や脚に塗る。顔も塗って、ついでに首とお腹と。背中…は仕方無いか。
さすがに頼むわけには…と思ったら、私の手から及川さんがボトルを取り上げた。
『及川さん?』
「背中、俺が塗ってあげるよ」
何か企んでそう。ジト眼で見ると、優しい笑みが返ってきたから、びっくり。
「大丈夫、下心なんて無いから。それに女の子は肌が命だもんね。海宙ちゃんはせっかく白いんだから大事にしなきゃ」
まともなことを言う及川さんに、なんだか肩透かしを食らった気分。この人、昨日までと同一人物でしょうか。
「それに、正面からだとかわいすぎて直視できないっていうのがホンネ」
『及川さん…』
ちらりと盗み見た及川さんは、なんだか切なそうな顔をしていた。