Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
着替え終わった人から準備。金田一とシートを敷いてパラソルを立てて。及川さんが周りをキョロキョロしてる。何かあったか?
「及川さん、どうかしました?」
「いや、きれーなオネエサンがどこかにいないかなーと思ってね?」
「岩泉さーん、殴って良いですよー」
「国見ちゃん、なんで!?」
試合の時は良いトスくれるのに。
「お、我らがお姫様の登場だぞ」
花巻さんが指を差していった。その方向から、海宙先輩が歩いてきた。レモン色のラッシュガードにエメラルドグリーンのショートパンツ。白い素肌が眩しい。
『遅れちゃった、女子更衣室混んでたの』
えへへ、と笑うと、先輩は金田一から荷物を受け取った。それよりも。
「海宙ちゃん上脱がないのー?」
『日焼け、ヤですもん』
「それじゃあつまんないだろ。な?」
「おう」
及川さんに花巻さんと松川さんも同調する。確かにそれは言えてる。
『良いじゃないですか。別にこのままでも遊べますよ。ビーチボールも、泳ぐのも』
「でもな、男ばっかで華に欠けるからなぁ」
『花巻さん、なんなんですか、そのどうでも良さそうな理由』
「どうでも良くないよ!ね、岩ちゃん!」
「なんで俺に振るんだよ…」
わーわー言ってる先輩たちから離れ、そろりそろりと海宙 先輩に後ろから近付く。金田一が言いそうになったから、無言のプレッシャーを掛けておく。
そして後ろから先輩に抱き付いた。
『きゃ、く、国見!?』
腕を前に回して、耳元で囁く。
「せんぱーい、動かないでくださいね。じゃないと手が胸に当たっちゃうかも」
『なっ…///』
じたばたしてたのが、途端に大人しくなる。ホント、この人単純。その隙にファスナーに手を掛ける。チーっと下ろしてそのままするりと腕を抜く。
『国見のバカっ!もう、やだ…///』
滑らかで白い素肌。栗色の髪が風で舞う。かわいい水着に身を包んだ先輩は、やっぱりかわいかった。