Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
とんでもない(私にとっては)醜態を晒すことになった私。頭までタオルケットを被って現在絶賛いじけてます。
「いやぁ、先輩可愛かったですよ」
『…国見言うな』
「まさか抱き付くと思わなかっt…」
『その単語を言うなっ!』
「むぐ」
バッと布団から跳ね起き、国見の口を塞ぐ。喋れないから大人しくなるけど、国見の目は笑ったままだ。
『本当に、恥ずかしいから、止めて…』
空いている手の甲で、口元を被う。後輩にあんなことするなんて、恥ずかしすぎる。黒歴史決定だもん。その時、パシャリ。シャッター音が聞こえた。
「照れてる海宙ちゃんゲット!」
『おっ、及川さん!?』
にこやかに笑う及川さんの手にはスマホ。向けられた画面には、顔を赤くする私の姿が。今までで一番速いんじゃないかってスピードで及川さんに飛び付いた。
『やだ、消してください!』
「ヤダ。家宝にするんだもん」
『むしろしないで!消して!』
「分かったよ。ホーム画面にしておくから」
『そうじゃないっ、もう、止めてっ!』
「わっ!?」
どさり。スマホを巡って取っ組み合いをしていると、バランスが崩れて2人とも倒れた。倒れた拍子におでこをぶつけた。痛い。
『いつぅ…及川さん、大丈夫ですか?』
ぶつけた頭をさすりながら、起き上がる。
「いたたた…俺は平気だよ」
「わお、蒼井意外と大胆だなー」
『花巻さん?何言っ…なぁっ!?』
自分の状況に、驚愕。私は及川さんを押し倒して、その上に馬乗りになってた。
『やっ、ちが、あのっ…』
急いで離れようとすると、ぐいと腕を引かれた。ぽすり、と及川さんの胸に倒れる。
『おっおい、及川さっ///』
「わー、やわい。それにサイズ感ちょうど良いね。俺の腕にすっぽり収まるのが」
『やっ、ハズいから、離して…っ///』
「だーめ」
及川さんは私を抱きしめて離してくれない。なんとか脱出しようとするも、男子の力に敵うハズもなく、されるがままになってしまう。
及川さんのことは好きじゃない。でも、こんなことされたら妙に意識しちゃうから。浴衣の布越しに分かる、及川さんの筋肉質な体。
バクバクと、心臓がうるさい。
動くに動けず、その状態でいると、今度は後ろに体を引かれた。
「何してるんすか」