Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第17章 Summer's Memory《チーム青城》
ぜぇはぁと荒い息が部屋に響く。そんでもって、戦いの激しさを物語るような熱気。
『で、私どこ?』
「真ん中です」
『あそ。周りは誰?』
「あ、紙に書きました」
金田一との一問一答。ノートに書かれたのは男子らしい字と寝る場所。
花巻 及川 岩泉 松川
京谷 蒼井 国見 金田一
『へぇ、国見やっぱり隣なんだ。それと当たり前のように及川さんが近いんだね』
「それは…スンマセン」
『いや、金田一が謝ることじゃないよ』
でも隣が京谷って、なんか意外。とりあえず決まった所定の位置に寝転がり、中心に頭を向けて、話す。
「…で、この後何するの?」
備え付きの時計を見ると、8時。就寝にはいささか早すぎる。
「及川サンは王様ゲームがしたi…」
「トランプでもすっか?」
「岩ちゃん、無視しないでッ!?」
『トランプは移動中にもできるし…』
これといってやりたいものが決まらない。
「あ、怖い話とかはどうすか?」
金田一の提案に、サッと視線が集まる。
『それだ!』
「決まり。じゃんけんで勝ったやつからな」
先程のよりは大人しいじゃんけん。勝ったのは花巻さん。そこから時計回りに話していくことになった。
演出の一環として、部屋の証明をオレンジ色の淡いものへと変える。雰囲気が一騎に出るから不思議。
「じゃ、話すな。知り合いの話なんだけど…
とある男が病院に検索入院した。ある晩、タバコを吸おうと思った男は、病室を出た。
エレベーターホールまで行き、エレベーターで一階まで降りる。後ろから微かに視線を感じたけど、特に気にしなかったんだと」
うわぁ、怖いよ。なんかもう、既に怖いよ。何が怖いってね、花巻さんの話し方が怖いんだよね。
「外で一服して、それからまた一階のエレベーターホールに向かった。そうしたら、どこからともなく声が聞こえた。
あははははっ…あははははっ…てな」
ゴクリ、と隣で京谷が唾を飲んだ。私もつられてゴクリ。どうしよう、楽しそうとか思ったけど、けっこうガチで怖い…