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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第17章  Summer's Memory《チーム青城》




【岩泉 side】


結局、京谷が謝って、一件落着。蒼井も機嫌を直し、すっかり笑顔になった。

冷房の効いたバスを降りた俺たちは、東京の地へと足を下ろす。その感想。

「暑い」

「暑いな」

『うわ、溶ける…』

宮城の夏とは比べ物にならない暑さ。じっとりというか、むしっというか。

『暑いから早く電車乗っちゃおう。小田急に乗り換えてからの車内販売でお昼済まそうと思うんだけど、良い?』

蒼井の提案に、全員が頷く。腕時計を見た蒼井が、あっと声を上げる。

『ヤバい、あと15分しか無い!』

「え、ヤバくね!?」

『~っ、とにかく、走って!』

スーツケースをガラガラ引っ張り、もしくは大きめのリュックサックを抱えて。駅の構内を全力疾走する。無事に乗り込んで自由席に座り、ホッと息を吐く。それから間も無くして、電車は走り出した。

「っぶなかったな…」

「及川サン、もう疲れたよ…」

「お前は体力がねーんだよ」

「岩ちゃん!?」
   
俺らのやり取りを、苦笑いで見詰める蒼井。及川が席替えをしたいとせがんできたので、バスの時とは違うペアで座ることになった。

勿論、及川は蒼井の隣に陣取った。

『やっぱり及川さんなんですね…』

「いっぱい仲良くできるね!」

『…岩泉さん、殴って良いですかね?』

「おう、煮るなり焼くなりお好きにどーぞ」

「岩ちゃん、ヒドイッ!」

げんなりした顔でこっちを見てくる蒼井。本当なら俺が隣に座って及川を遠ざけたかったが、仕方無い。内心悪いと思いつつ、金田一の隣に座った。


     
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