Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第16章 勘違い+片想いの結末《山口 忠》
…なんだろう、この浮遊感。
誰かに運ばれてるような、そんな感じ…
それと誰のかな、スゴく落ち着く声がする。
あったかいし、安心する…
ダメだ、意識が…
浮上しかけた意識は、ずるずると暗闇へと引きずられていった。
次に気が付いたとき、どこにいるか分からなかった。倒れたのはお風呂場で、ここは布団の中だった。
『…ん、あれ、山口君、潔子さん…』
「蒼井さん!」
「海宙ちゃん、良気が付いたんだね」
むくりと起き上がると、顔をほころばせた山口君と潔子さんがいた。お水汲んでくるね、と潔子さんは部屋を出ていって、私と山口君だけが残された。
『私お風呂場で倒れたんだよね?』
「うん。大丈夫そうで良かった」
ふにゃりと笑う山口君。そして、気が付いた。
『あれ、服が違う…もしかして山ぐ…』
「それはっ!潔子さんと谷地さんが着替えさせたんで。俺は何もやってないから!断じて、誓って、絶対に!」
真っ赤になって弁解する山口君が可笑しくて、自然に笑っていた。
「そんなに笑わないでよ///」
『ふふふ、ごめんってば…くふ…っ』
「そ、そういえば!さっきお風呂で言ってたのって…本当?」
『え………ぁあ、あれは…っ///』
今度は私が赤くなる番だった。
『いや、えっと、あの、つまりその…』
しどろもどろになる私。これって否定するの、いやでも、嘘は吐けないし…ええい、いっそのこと言っちゃえ!
『本当、です…山口君のことが好きです…』