Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第15章 ★祭りの夜に《木葉 秋紀》
そして情事後、俺は何故か謝っていた。
「だから、ゴメンってば…」
『やだっ!だってぇ、秋紀ってば急に襲ってくるんだもん。ビックリしたんだから』
「それは、お前が煽るからだろ」
『煽ってないもん!』
「ハ、どこがだよ、バーカバーカ」
『うっさい、この万年発情コノハズクめ!』
「悪口が進化してるんだけど!?」
ベッドに寝転がる2人。でも、アイツは俺に背を向けている。白い肌は火照って少し色付いて見えるが、そんなことを言ったら口を利いてもらえないだろうな。
ふと、思い出したさっきの祭りでのことをなんとなく口にした。
「俺さー、さっきの悔しかったんだよ」
『…何が?』
「木兎が射的で景品とってさ、お前にフクロウのぬいぐるみあげてたじゃん。あれが、なんつーか…ヤだったんだよ」
数拍の沈黙の後、彼女はプッと吹き出した。
「てめっ、人が真剣なときに…っ///」
『ふふふ、ごめんね。あのぬいぐるみね、木兎がとってくれたから嬉しいわけじゃないんだよね、実は』
「じゃあなんで…」
くるりと彼女はこっちを向いた。それから俺の頬に手を当てて、にっこり笑った。
『だってあのフクロウ、ちょっと秋紀に似てたから。そしたら家でも一緒かなぁなんて思ったんだ』
えへへ、恥ずかしい…と照れる海宙。堪らなくなって、両手で思いっきり抱きしめた。
『秋紀ちょ、苦しぃ…!』
「スゲーかわいい、スゲー嬉しい…」
なんでこんなに、かわいいこと言うんだよ。また止まんなくなるだろーが。
「あーもう、マジで好きだわ」
『私も、ずっと好き。秋紀、大好き』
「ハ、俺のが好きだかんな」
『私だって、好きだもんね』
ベッドの上で仔猫のようにじゃれ合う俺たち。いつの間にか雷は鳴り止み、雨も上がっていた。明日、あいつらにお礼言っとかねーとな。海宙と微笑みながら、そんなことを思った。
大好きだぜ、
世界一かわいい、俺の海宙。
END.