Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第15章 ★祭りの夜に《木葉 秋紀》
濡れたままだとカゼをこじらすので、とりあえずバスタオルと俺の服から適当な着替えを見繕って押し付ける。
『え、秋紀?』
「フロ、先入っててくんね?」
『それなら秋紀が先に…』
遠慮する海宙の背を、良いからとむりやり押し、フロにつっこんだ。湯を張る時間が無かったので、シャワーだけど。
入る直前、金魚よろしくーと聞こえたので、さっきのやつを適当な桶に入れておいた。元気に泳ぎ出したので、リビングに戻る。
海宙がシャワーを浴びている間に、タオルで頭を拭いた。それから部屋着に着替えた。
親の姿が見えないことに違和感を覚えながら、喉が渇いたので冷蔵庫を開けようとした。そこで、メモ書きが貼られていることに気付いた。
"父さん母さんは社員旅行に行ってきます。
帰りは3日後になると思います。
部活、無理しないでね。
母より"
マジかよー!?母さんも父さんもいねーのかよ!?っつーことは2人っきりかよ!?大丈夫か、俺の下半身!?
俺が頭を抱えて葛藤していたその時、ペタペタと裸足で歩く音が聞こえた。
『秋紀ぃ、ありがとー、さっぱりしたわぁ』
「おー、良かっ…ブッ///」
海宙の姿を見た瞬間、鼻血が出るかと思った。そして、俺は後悔した。俺のTシャツのみを身に着けたアイツ。まだ濡れている髪、ほんのりと上気した頬。その全てが俺を惑わせる。
エロい、その一言に尽きる。
『あ、秋紀っ!?』
「やめろ、お前こっち来んな!」
『でも、お腹押さえて…』
「バカっ、察しろ!」
腹じゃねーよ、その下だよ!つーかその格好でこっち来んな、目の遣り場に困る!くるりと背中を向けたまま、俺は訊いた。
「なんで一緒に渡したズボンはいてねーの」
『いやー、暑くてはく気になれない。それにこのシャツ長いから、見えないでしょ?』
でしょ?じゃねーし!むしろ際どいその感じがエロいんだよ、察しろ!(2回目)
「あー、俺はソファで寝るから、お前は俺のベッド使って寝とけ」
これ以上一緒にいたら、手を出しそうだ。そう思った俺は、早々に寝ることにした。その時、外で雷が鳴った。
『ぴゃあぁああぁあっ!?』
海宙が悲鳴と同時に俺に抱き付いた。