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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第15章 ★祭りの夜に《木葉 秋紀》



『えっと、それはあれだね。部室で話してたこと…だよね?』

「それ以外にも盗み聞きしました?」

…赤葦さん、厳しいっすね。

『うんと…木兎がいつコクるか訊いたとこ』

「えっ、お前全部聞いてんじゃねーか!?」

そうです、木兎。聞いてました。ズザーッ!と大袈裟に飛び退く木兎を放置。赤葦は話し出した。

「花火大会の話も聞いたんですね」

『うん』

「そういうことなら、せっかくなんで部員全員で行きましょう」

『そーだね。あ、浴衣着ようかな。赤葦と木兎も浴衣着てきてね?』

「それは蒼井、オメカシして木葉のハートをゲッツーする作戦か!」

『スポーツ変わってるね、それ』

「じゃあ木兎さんはさり気無く明日の部活で花火大会のことを提案してください。先輩は2人のマネ誘ってください」

「『アス!』」


―*―*―*―*―*―*―*―*―*―


『…という次第です』

昨日の出来事を話すと、かおりんはう~んと腕を組んだ。ゆっきーはぽへーっとしながら言った。

「花火の時に、木葉にコクっちゃえば~?」

『わ、私!?そんな勇気、ありません…』

「でもさ、可愛くなってあいつのこと惚れ直させることはできるよね?」

にっと笑いながらかおりん。ゆっきーもなんだかんだ言って手伝ってくれるようだ。

『ふ~た~り~と~も~、ありがとうっ!』

また抱き付いて、それから3人で顔を見合わせて笑った。良い友達を持ったね、私。

「その代わり、お礼は高いからねぇ!?」

「新しいケーキ屋さんの、奢ってね」

『もち、付き合うことになったらね?』

部活が終わって片付けをしていると、木兎がみんなを集めた。そこで言ったのは花火大会のこと。

「日曜の花火大会、みんなで行こーぜ!あ、強制参加な。それと、女子は浴衣」

浴衣が目当てだろー!とどやされつつも、内心では木兎に感謝。相談してることをバラしたときはキレそうになったけど、なんだかんだ言って良いやつじゃんか。

1日、また1日と過ぎ、花火大会当日。

お気に入りの浴衣を着て、髪をお団子にして、かんざしを差した。下駄を履いて玄関を開けると、かおりんとゆっきーが待っていた。

「よし、じゃあ、行こ!」

かおりんは笑って言って、3人で歩き出した。歩きながら、秋紀がちょっとでも褒めてくれますように、とか思ったりして。


   
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