Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第14章 ★宵の月光《及川 徹》
少しのタバコの煙と、アルコールの匂いが充満するここは、いつもの居酒屋。既にできあがってる人もチラホラ見える。
正直言うと、私はビールとか日本酒は苦手なのだ。だから、いつも通りウーロンハイとか酎ハイとかを飲んでる。勿論、お察しの通り、両隣はいつもの2人。
「にしてもさ~海宙ちゃんって色白いしカワイイよねぇ。食べちゃいたい☆」
『及川さん、それセクハラです』
アルコールが入ったからか、いつもより饒舌になっている及川さん。冷たく突き放すと、スンスン鼻を鳴らしながら、岩泉さんの方へと逃げていった。めんどい。
一方、影山くんは新入りの2人、金田一くんと国見くんと談笑しているよう。
うちの会社、どんな縁があるのか知らないが、社員には青葉城西高校の卒業生が多いらしい。私は県外だけど、及川さんや岩泉さん、他の部署のマッキー改め花巻さんや松川さんもそうらしい。
『ねぇ、影山くんは青葉城西なの?』
「いえ、俺は烏野ってとこです」
『ホラ、あの"小さな巨人"で有名になったとこ。ウシワカに勝ったことあるよね?』
「バレー知ってるんスか?」
食い付いてきた影山くん。その表情はキラキラしていて、どこか楽しそうだ。
『ちょっとだけね。お兄ちゃんがバレーやってたから、高校バレーとかも知ってたり』
「そーなんスか!」
それからは、中学や高校の話し、部活での話しなんかをした。金田一くんや国見くんも入って、みんなで話す。
あ~、なんか楽しいなぁ。家に帰ったら一人暮らしだから寂しいけど、ここにいればみんなで楽しいし。
空になる度に何杯もおかわりして、血中アルコールナントカは上昇。飲み会が始まって2時間もすれば、すっかり酔いが回っていた。