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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第13章  今を生きて《月島 蛍》



すぐに救急車を手配した。待っている間、体の震えが止まらない。嗚咽が、吐血が、止まらない。

『蛍っ、けい、どうしよぉ…ひっく、わた、私っ、し、ぬ…死ぬっのかなぁ…?』

「死なせるわけないでしょ!」

蛍はずっと私を抱きしめてくれた。時折吐き出す血液が、その服を汚すのも構わずに。

救急隊員の人にストレッチャーに乗せられ、生まれて初めて救急車に乗った。勿論、蛍も同乗した。

蛍の後ろに見えた料理長の姿。とても不安そうな顔だったから少しだけ、笑ってみせた。

バイタルチェックだの、なんだのと、訳の分からない言葉が飛び交う。先程まではなんともなかったのに、ズキズキと胸が痛み出した。

病院までの5分間、こんなにも長く感じたことはたぶんこれまでも、これからにも無い。とてつもなく長く感じる5分が終わると、都内でもそこそこ大きな総合病院だった。

救急入り口から入り、よく分からないまま病室へと連れていかれた。そして、数分もしないうちに、お医者さんが入ってきた。まあるいお腹が特徴的な、タヌキを思わせるような先生だった。

そのあとは色々聞かれた。喘息のことや、最近の様子など、それはそれは事細かに。聞いている先生の顔は、次第に険しくなっていった。検査をした結果、私の病名が明らかになった。


肺の近く、気管支にできた、がん。

既に他の部位にも転移していたらしい。

私に残された時間、それは―――



―――1年、あるかどうか


   
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