• テキストサイズ

【 銀魂 】愛を教えてくれた人 ― R18 ―

第3章 台所は女の城




銀時の挙動不審な様子を見て成瀬の悪知恵が働き、先程まで冷静だった成瀬の表情は突然悪意のある笑へと変わった。


「何?女の下着姿、見たこと無いのか?」


今一番話したくない内容を振られ、あからさまに焦る銀時。
そんな銀時の様子をひたすらニヤニヤと見つめる成瀬に負けじと銀時も反論をし始める。


「は、はァ?何言ってんの?下着姿どころか全裸なんて見慣れてるしぃー?っていうか見すぎてもう飽きたしぃー!!」

「ふっ、そうか。それは幸せなこった。」


成瀬は銀時をいじり続ける事はせず、浴室に戻ろうとその場から足を動かした。
いきなり成瀬が自分の方へ向かって近付いて歩き始め、風呂に入ろうとしている事など知らない銀時は当然今まで以上に焦りまくる。


「お、おおおおおい、なななな、何やってんだおまっ!」

「……それ程の反応を取る男は初めてだ。お前みたいな奴もいるんだな。」


酷く焦る銀時の耳に入ってきた言葉は何とも意味深な物だった。
その言葉を聞いた銀時は今まで酷く動揺していたのが嘘の様に冷静に戻った。
自分のすぐ横を通り過ぎる成瀬の身体を見れば、昨日銀時が見た足の傷よりも凄まじい程の数の傷痕が残っていた。

昨日のお登勢の反応から傷は酷いものだったのだろうと薄々は分かっていたが、自分の想像を遥かに超えた傷を目の当たりにした銀時は言葉が出なかった。


「あ、風呂借りるぞ。」


そんな傷を晒しているにも関わらず、隠そうともしない成瀬に銀時は苛立ちを感じた。


「……おい。」

「??」


呼び止められた成瀬は返事はしないものの、足を止め振り返った。


「……もっと身体大事にしろ。女だろ。」

「……もう手遅れだ。それに、もう私を女として見てくれるやつはこの世には居ないよ。」


銀時の低い声に成瀬は一瞬驚いたが、すぐに気を持ち直し、銀時の言葉に返答した。
成瀬はそう言い残し浴室へと向かって行った。

銀時は襖にもたれそのまま身を預けズルズルとその場へ座り込み片手で軽く顔を覆った。


「……ふざけんなっつーの。どっからどう見ても女の身体じゃねぇか。」


そう言う銀時の顔は赤く染まっていた。


/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp