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【 銀魂 】愛を教えてくれた人 ― R18 ―

第2章 夢と現実の境界線




突如現れた銀時の姿に三人同時に視線が銀時に向かう。
その手には出て行った時には無かったビニール袋が手に持たれていた。


「銀さんいつの間に帰ってたんですか?てか早いですね帰ってくるの。」

「俺の家なんだからいつ帰ってこようが勝手だろ。」


そう言いながら銀時は和室に入り、ビニール袋の中をゴソゴソと漁り何かを取り出そうとする。
ようやく袋から出されたのはひとつの薬の箱だった。
そしてその箱を成瀬に差し出した。


「アンタ…」

「礼ならいらねーよ。どうせ頼んでないとか言われるだろうし。」

「ならどうして…」

「俺が勝手にやった事だ。黙って飲んどけ。」


成瀬は薬の箱にゆっくりと手を近づけそれを受け取った。
新八はすぐさま水を入れるため台所へ向かう。
その間また銀時は袋の中を漁り、今度はおにぎりを取り出しそれをヒョイっと成瀬に投げた。


「ちゃんとそれ食ってから飲めよ。」

「………。」


銀時はそう言い残し和室から出て行った。
成瀬はその背中をしばし眺めた後、渡されたおにぎりと薬へと視線を落とした。


「これを買うためにわざわざ出て行ったのか…?」

「まあそんな事だろうと思ってましたけどね。」


水を入れたコップを手に新八が部屋に戻って来た。
成瀬が立ち上がろうと立てていた足を崩しその場に座ると、新八と神楽もその場に座り込んだ。
新八は成瀬の横にコップを置き話し始めた。


「僕達、万事屋やってるんです。何か悩みがあればいつでも僕達に言ってください。」

「万事屋?」

「はい、所謂何でも屋ですね。そしてさっきのぶっきらぼうが一応社長の坂田銀時です。」

「坂田銀時…。」


何でも屋と聞いて成瀬は何か話そうかと一瞬思ったが、すぐにその考えは消えた。
子どもを自分の面倒事に巻き込むのは後免だと、そう思ったのだ。
そもそも子ども云々よりも、私情に他人を巻き込むのは気が引けていた。


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