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This blood is your thing

第9章 ────一心同体の未来求めてる────



シュウは何も言わずに私の頬に触れる。

「髪伸びたでしょ?」

「・・・そうだな。」

そのまま私の頭を撫でるシュウ。

「もう!そうやってスグ子供扱いする・・・」

久しぶりに会ったシュウはとても柔らかく笑う。

「触るな」

いきなり背後から声がしたと思ったら、急に腰を引き寄せられた。

「ヴァンパイアくさくなる。」

「シンくん!」

「狼くさいよりはいいだろ?」

「何で喧嘩腰なの!」

私の言葉に対してシンくんは舌打ちをした。

「それより、アイツらに渡してくれた?」

「ナッツ?渡したよ。」

「そう。アリガト
じゃあ行こうか。」

シンくんはシュウを見据えた。

「アンタは要らないけど?」

「いちいちムカツク。
さっさと案内してよね。」

「どういう事?」

シュウが何処を案内するの?

「付いていけば分かるよ。」

「えぇ・・・?」

この面子で、お出掛け・・・?大丈夫かな?

私の不安をよそに辿り着いた場所に喜びが隠せなくなる。

「う・・・そ・・・」

「面倒事起こされるのも
ごめんだからネ。」

「既に面倒だけど
入りなよ。」

シュウは扉を開けさっさと中に入ってしまう。

「シンくんどうぞ・・・
いらっしゃい・・・かな?」

シンくんの手を取り久しぶりの我が家に足を踏み入れる。

「ちょっと・・・オレはいいから!」

「なんでそんな事言うの?」

「玄関で煩くしないでいただきたいものです
さっさと入りなさい。」

「レイジさん!ただいま!」

「おかえりなさい。」

あ・・・レイジさんからほんのりと紅茶の香りがする。

「これ・・・好きに使いなよ。」

シンくんはレイジさんに袋に入った何かを投げた。

「ん?なんです?・・・これは・・・!
今淹れてきますから二人共座っていなさい。」

レイジさんは足早にキッチンへと消えた。

「シンくんアレなに・・・?」

「ん?あぁ紅茶だよ。」

「いつの間に・・・」

「アンタの分も買ってあるから安心しなよ。」

そう言って優しく頭を撫でてくれる

「だから慣れなって言ってるでしょ。
真っ赤な顔しちゃって・・・」

意地悪く笑うシンくんのせいで、顔の火照りに拍車がかかる。

「もう・・・。」



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