第9章 ────一心同体の未来求めてる────

｢そう言えば静かだけど、皆居ないの？｣

｢スバルは部屋に居ると思いますが、
アヤト達は父上の処ですね。｣

｢そっか。｣

皆に会いたかったな･･･

｢疲れたでしょうから部屋で休みなさい｣

｢そうしようかな･･･
シンくん行こ？｣

｢シン、貴方はダメです。｣

｢はぁ？意味解んない。｣

｢それは私の台詞ですが、色々聞きたい事があります。
それはもう山ほど･･･｣

｢まぁそうだよネ。
いいよ付き合ってあげる。｣

シンくんはレイジさんに捕まってしまった。

こうなると絶対長いよね･･･

｢シンくん、シュウの部屋行ってくるね！｣

｢好きにしなよ。｣

さっき助けてもらったお礼をしたい。
起きてるといいけど･･･

｢シュウ起きてる？入ってもいい？｣

･･･うん。やっぱり返事はない。

｢入るよー｣

部屋の主はベッドで横になっている。

寝てる？そっと隣に腰を下ろす。

｢シュウ寝てる？
さっきは有難とっ────！？｣

いきなり伸びてきた腕によって倒れ込んだ先はベッドではなくシュウだった。

｢起きてたの？｣

シュウは私を抱き締めながら不機嫌そうに見下ろしている。

｢シュウ･･･？｣

｢その口で･･･｣
酷く小さな声だった。

シュウの指が頬に触れて、
そのまま────

｢っ･･･！｣

輪郭を辿り、

｢なぁ、どんな風にされたんだ？｣

唇に触れた。

｢あぁ、こんな風に誘ったのか･･･｣

誘う？もしかして･･･シンくんとの事を言っているの？

｢意味･･･わからない！｣

なんで･･･なんでこんなに意地悪なの？

｢シュウどうしたの？｣

｢どうかしたのはあんただろ？｣

｢えっ･･･ッ｣

｢こんな痕つけて･･･さ。｣

首に触れる指先。

｢シュウ、冷たっ･･･｣

｢じゃあ温めてくれない？｣

怪しく微笑むシュウは、やっぱりどこかおかしい。

｢さっきレイジさんが
お茶を淹れてくれたから持ってくるよ。｣

今のシュウとは一緒に居ちゃいけない気がする･･･
だけど、背後から抱き締められているからどうにも抜け出せない。

｢要らない。｣

｢っ･･･!!｣

耳にシュウの息が掛かる。

｢近いっ！｣

｢うるさい。｣

そう言った唇は私の首に触れた

｢んっ･･･｣

声が･･･！

｢早く温めなよ｣

｢だから･･･｣