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This blood is your thing

第9章 ────一心同体の未来求めてる────



「じゃあ、ナッツのお店行こうか!」

「無理しなくていいよ。」

「してないよ!紅茶は少し気になっただけだし、
シンくんの好きな物ちゃんと知りたい。」

「・・・そう。
じゃあ美味しいナッツ買ってあげる。」

言いながら頭を撫でてくれた。
嬉しいなぁ・・・

「これ位の事で、いちいち赤くなんないでくれない?
これ以上の事してるんだから。」

「なっ!?」

「真っ赤。」

楽しそうに笑うシンくんにつられて笑ってしまう。

幸せ────・・・


「ねぇ待って。まだ買うの・・・?」

「当たり前でしょ?」

どうやって持って帰ればいいのか、解らない量のナッツ。
まだ増えるらしい。

「外に使い魔呼ぶから渡してきてくれない?」

「成程・・・行ってきます。」

「ん。」

お店の外には大人しく座っている狼が居た。

「ここじゃ目立つね
こっち行こうか。」

裏路地に誘導してナッツをお願いする。

「帰ったら食べようね。」

フワフワの頭を撫でると理解してくれたようで、ナッツの入った袋を銜えて消えた。

シンくんが貸してくれた上着暖かいなぁ
お店に戻る為に踵を返す。

ヒトが二人歩いてくる。

・・・横に並ぶと通れないんだけどな

肩が触れそうだ。

「すいませ・・・」
謝りながら通り過ぎようとしたら

「ねぇ?キミさー」

と声を掛けられた。

「えっ?」

動揺する私に、無遠慮に伸びる手。
その手はマフラーに触れそうで思わず払い除けてしまった。

「あっ、すいません。」

何だかカルラさんのマフラーが穢されてしまう気がした。
怒りを露にした舌打ちが聞こえる。その主は私の手首を掴んだ。

「やめっ・・・」

「うるさいと思ったら・・・ウチのか。」

その声に、懐かしさと驚きで言葉に困る。

いつの間にか私の背後に居たカレの目は手首を掴むヒトを映していた。

「なんだ、シュウくんのおトモダチ?
なんだかイイ匂いがしたから・・・」

そのヒトは『ごめんね!』と、付け加えて掴んでいた手首にキスをした。

「っ!?」

「・・・おい。」

「ごめん・・・ね。」
もう片方のヒトがそう言うと二人は消える様に去って行った。

「アイツら・・・」

「待って待って!」

追いかけようとするから慌てて引き留める

久しぶりだね。

「シュウ。」






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