第8章 Ⅱ ───狂おしい程に───
その瞳が私を映す度に貴方に触れたくなるの、気付いてる?
伸ばした手はシンくんに囚われる。
「仕方のない子・・・」
そして指先にキスをくれた。
嬉しくて頬が緩む
「は随分余裕そうだね・・・っん・・・」
「・・・っ・・・」
キスをくれたところにそのまま牙が挿し込まれた。
それは、少しくすぐったくて・・・やっぱり気持ち良くて・・・
「・・・そうだよ
そうやってオレにだけ感じていればいい。」
シンくんの眼は恍惚と輝いていた。
ずっと・・・ずっとこの瞳に囚われていたいなんて我が儘な事ばかり思い浮かぶ。
「いい匂い。」
触れていたくて、触れられていたくて・・・
「そうかな・・・っつ・・・!」
私はオカシイのだろうか?
「・・・んんっ・・・」
「シンくっ・・・」
血に濡れた牙が私の首に挿さる。
シンくんの首に腕を回し、ぎゅっとしがみつく
そうでもしないと、もっとおかしくなってしまいそうで怖いから・・・
「いい子だね。」
そのまま抱き起こされ唇と唇が重なった。
触れるだけのキスを何度も繰り返す
ゆっくりと瞼をあければシンくんと目が合った。
「もっとして
もっと・・・愛してよ」
その言葉に胸が締め付けられる。
──シンくんも同じことを・・・
「ずるい。」
首に絡ませた腕に力が入る
「別にずるくないでしょ?
っていうか顔真っ赤」
「だってシンくんが・・・」
髪に絡む指・・・いつの間にか露にされていた肌。
何も纏わない胸元にそっと指先が触れる。
「っ・・・!」
「オレが、何?」
精一杯強がって言葉を紡ぐ
「私も狡いから・・・だから
もっと、させて・・・?」
「ククッ・・・オレのお姫様は、
最高だね。」
ねぇ。何でそんなに優しいの?
堪らなくなって全身でシンくんを抱き締めた。
「ちょ・・・っと、
はオレが居ないとダメそうだね。」
どんどんと紅くなる顔を隠す様に首元に顔を寄せた
シンくんは愉快そうに・・・満足そうに微笑む。
「・・・大丈夫だもん。」
それが悔しくて反抗してみせる。
「そう・・・こんなにくっついてるくせに?」
顔を上げればキスが落ちてくる。
「っう・・・」
背中に触れる指が徐々に肌を露出させていく
何度も、何度も唇を重ねる。
「・・・ん。」