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This blood is your thing

第7章 Ⅱ ──蒼い欲望の目覚め────



シンくんは私の唇に指を添え・・・

「っは・・・のコレは、
お飾りだね。」

と、嘲笑いながら牙をなぞる。

───もっと触って欲しい
それを見透かした様に顔を寄せたシンくんに、容易く唇を奪われた。

「んッ・・・」

血の味・・・コレが美味しいと思える日なんて来るのだろうか?

「・・・ナニ余計な事考えてるわけ?」

強制的にシンくんの方を向かされた。

「余計な事なんて考えてないよ?」

「ふーん。じゃあ早く
腕、まわしなよ。」

シンくんは屈んでくれているにも関わらず、背伸びをしなければ届かない。

「イイコだね・・・。」

そう言って優しく微笑んだクセに、牙は先程よりも深く深く挿さった。

「っ・・・!」
思わずギュッとシンくんにしがみつく。

一滴も零す事なく呑み干す姿に胸が高鳴る。
シンくんが喉を鳴らせば鳴らす程嬉しくなって、それに反比例して腕にチカラが入らなくなってくる。

「んっ・・・っ・・・ッ・・・」

おかしいな?まだ、少ししか吸われてないハズなのにな...。

「なぁに・・・シンくん?」

今にも閉じてしまいそうな私の瞼・・・
心配そうに私を見つめる一つの瞳。

「・・・大丈夫。」
いつの間にか私は子供の様に横抱きにされていた。

シンくんの頭に手を伸ばす。

「大丈夫だよ。」

そっとフワフワの髪に触れる。

「ウソツキ。」

呟いた後でベッドに降ろされる。

「ごめんね。
ちょっと眠いかも。」

さっきまで寝てたのにな...。

「まぁ・・・仕方ないんじゃない?」

「仕方ない?」
疑問をそのまま口にしながら、シンくんの胸に顔を埋めた。

幸せ・・・。

シンくんは私にシャツを羽織らせ抱きしめながらつづけた。

「ん?あぁ・・・
ハジメテだらけの
可愛いかったよ。」

「はじめて・・・?」
そっか私、シンくんと...。

途端に恥ずかしくなってしまう

髪にキスをくれるシンくん。

「か、可愛いって言ってくれるの
シンくん位だよ!」

「そんな事もないと思うけど・・・ネ。
少なくとも、兄───・・・まぁいいか。」

「にぃ?」

「眠いんでしょ?さっさと寝なよ。」

「・・・そうだね。おやすみなさい。」

好きな人が隣に居てくれる幸せを噛みしめるように、再び瞼を閉じた。





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