第6章 失態覚悟の欲を晒しあえばいい
シンくんが扉を開けたらバスルームではなく、中庭だった。
カルラさんのギミックに感心せざるを得ない
シンくんには解ける様になっていたのかな?
それにしても、狼がいっぱい居て嬉しいな。
"シンくん"居るかな・・・────。
シンくんに群がる狼達を一通り見てはみたけれど、居なかった。
ご飯の邪魔はしたくないから少し距離を取る。
早速ご飯を食べるのに飽きた狼達が寄ってきた
「お腹いっぱいかな?」座りながら話しかける。
狼は返事をするかの様に私の頬を舐め上げた
くすぐったくて笑ってしまう。
そのまま押し倒されて、何だか楽しくなってしまった
皆ふわふわで柔らかくて可愛い。
「シンくん有難う!!」
狼達に囲まれながらもお礼を伝える
シンくんのおかげでこんなに可愛い子達に会えた。
「どういたしまし・・・て!」
「えっ!?」
シンくんが私達に向かってナッツをバラ撒いた!
それは勿論私の髪や服にも落ちてくるワケで狼達は一生懸命探している。
その姿が愛らしくてまたも自然と笑いが込み上げる
そんな狼達を全身で感じたくて、側に居た狼を抱き締めた。
──ふと"シンくん"との思い出が甦る。
「ねぇ。膝から血出でる。」
「うん・・・来る時転んだ。」
「アンタ本当にどっかぬけてるね。」
『舐めとけば血も止まるでしょ。』と言ってきれいに舐めとってくれた...。
なんで今こんな事思い出しているのだろう?
「ふふっ。」
変なの。
気付けばシンくんがすぐ隣に座っていた
身体を起こしシンくんの顔を覗く
「シンくん・・・ひどい顔。」
なんで・・・そんなに緩んだ顔をするの・・・
「・・・アンタには言われたくないんだけど...。」
シンくんは私の髪を手に取りキスをする
顔が近い・・・どうしよう恥ずかしい。
チラリとシンくんを見れば視線が重なってしまう
「何?ちゃんとその口で、言ってみなよ。」
目を逸らせない
「っと・・・は、恥ずかしい・・・デス。」
「はぁ?そっち?違うんじゃないの?
・・・ねぇ。」
まじまじと見つめられて言葉に詰まる。
「・・・あっそ。
じゃあ知ーらない。」
不貞腐れているシンくんの待っている言葉は
きっと────