第5章 壊れた想いは Non Continue?
振り返り顔を覗き込もうとした時、カルラさんの手が私の左胸を包み込んだ...。
「っ・・・!」
それと同時に私の腕の拘束が解かれた
「・・・
貴様のココロというモノも、
私のものにしたくなった。」
「カルラさん....。」
「貴様の────・・・いや。」
そう言葉を濁すとカルラさんは、
私の髪に又キスをひとつ落とし「少し休む。」と言った。
カルラさんの咳き込むような音が聞こえ、寄り添う様に横になる。
私が人間だったなら、きっとこの人を温められたのに...。
寂しそうな背中を温める事も出来ない。
どうしたって私は無力だ。
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───・・・
浅い眠りから目を覚ましたら、やはりカルラさんは居なかった。
こんな時間に何処に行ったのかな?
窓から外をぼーっと眺める。
何やら中庭が騒がしい・・・
それもその筈そこには何匹もの狼が居た。
「わぁ・・・凄い!!」
部屋を飛び出し中庭へ向かうも、辿り着くのはバスルーム。
何故か玄関には出られない...
「なんで・・・」
「・・・アンタなにやってんの?」
後ろから聴こえたシンくんの声に思わず振り返った。
「シンくん!中庭に・・・」
言い終える前に昨日の気まずさと、カルラさんの跡を隠す為に下を向く。
「中庭が、何?」
私の顔を覗き込みながら問い掛ける
目が合ったが、私から逸らしてしまう。
「ハッ・・・。
感じ悪すぎ。」
呆れた様に鼻で笑う彼の顔が見えなくても分かる。
私が悪い。だけど、どんな顔で貴方と喋ればいいの?
シンくんはそのまま何処かへ行こうするから焦って声を掛ける
「ごめんシンくん!!中庭に行きたいの。
・・・でも、何故だか行けなくて...。」
やっぱり恐くてシンくんの顔は見れない。
「ん?・・・あぁ。
兄さんが結界を張ってるから当然だよね。
そんなの大好きな兄さんに解いてもらえばいいんじゃない?
・・・まぁ絶対無理だろうけど。」
「じゃあね。」
シンくんが行ってしまう・・・
「ま、待って!!私に出来ることなら何でもするから
だから中庭に連れて行って下さい!!」
勢いに任せて私はぎゅとシンくんの手を掴み、頭を下げた。