第5章 壊れた想いは Non Continue?
もう、放っておけばいいじゃない
なんて。
は始祖の人形なんかじゃない・・・今は兄さんの人形・・・か。
部屋から出て行けば見ないですむのに、なんでオレの脚は動かない?
兄さんの浄化を眺めてどうなるの
唯々、苛立つだけなのに。
名前・・・
名前を呼ばれた気がしたんだ。
は気を失ったのか、兄さんにもたれ掛かっている
そんなアンタをさ、兄さんは大事に抱えている。
こんな時、兄弟じゃなければ・・・って思うよ。
嫌という程解っちゃうんだよ
兄さんはさ・・・きっとを.....。
オレが始祖王だったなら、今アンタを抱き締めているのはオレだったのかな?
始祖王じゃなくても、
オレは・・・を───。
そっか。
もう認めるしかないのかもしれないね・・・
重い脚を動かして兄さんの部屋から出たはいいものの、これからどうすればいいのか解らない
ベッドに身体を預ければ、甦るのはの泣き顔だけ。
───・・・笑っていて欲しいなんて初めて思ったよ。
「解らないままでいれば良かった。」
ましてやこのオレが、笑わせてやりたいなんて・・・ネ。
「最悪。」
相手は、月浪カルラ・・・兄さんだ。
始祖王で唯一無二の兄弟。
どう足掻いたって勝てっこない。
それでも手に入れたいなんて、どうかしてるでしょ・・・
だから、だからさ?
オレがアンタを笑顔にさせられたなら、オレを選んでくれない?
無理だって解ってるけど、想わずにはいられないなんて・・・ホントこの気持ちは厄介だね。
ねぇ・・・なんで泣いてたの?
・・・なんでオレの名前を呼んだの?
「教えてよ。」
伸ばした手は誰に届くでもなく空を掴む
それが虚しくて顔を腕で覆った。
アンタの唇が、肌が、体温が、声が、忘れられないんだ...。
「あぁが欲しいな....。」
────ねぇ抱き締めさせて?
もう泣かせないから、
オレの隣で笑っていて。