第1章 Ⅰ ──無数に滲んだのは、泡沫の日───
「見たな?」
恥ずかしい・・・
「しつけぇ。
見て・・・ねぇよ。」
「絶対見た!!」
大声でレイジさんを呼ぼうとした瞬間───
スバルくんに口を塞がれる。
「おい!!デカイ声だすな!」
「んー!!」
一応私だって妹の前に女の子。・・・なのに馬乗りになるって酷い。
こんな状況誰かに見られたら、スバルくんが怒られるのに・・・。
・・・ん?視界の端に何かが動いた気がして横目でみると・・・
「あれあれあれー?
とスバルくん何してるのー?」
ニコニコ笑うライトくんが居た。
「なっ・・・!ライト!!
いつの間に!?」
スバルくんの言う通り、いつの間に?
神出鬼没だなぁ。
でも、この言葉はライトくんを含む私達ヴァンパイアに当てはまるか・・・
「そんな事はいいからさぁ。
何シテルのって・・・聞いてるんだけど?」
「なにも・・・してねぇ。」
いやいや。
下着見られました。
「本当かなぁ?
ちゃん今日の下着の色は黒?」
「いや青だ。
・・・・・・あ。」
間髪入れずに否定したスバルくん。
やっぱり見てたじゃないか・・・
「んーーー!!」
いつまで経っても塞がれる口が辛くて、スバルくんの掌を舐める。
「チッ!舐めんな!」
慌てて手を放すスバルくん。
その隙に私は急いで立ち上がり
「変態!!!」
と、一言文句を言ってスバルくんの部屋を出た。
「あーぁ。
スバルくん嫌われちゃったね。」
「オマエのせいだろうが!!」
「えぇ?ボクは関係ないでしょー?
まぁ無事スバルくんもボクの仲間になったことだし。」
「あぁ?ふざけんな!!
勝手に仲間にしてんじゃねぇ!」
「文句はに言いなよねぇ~。」