第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―
あれからずっと、カルラさんと一緒に居る。
最初は乱暴だった浄化も最近は優しい
「」
カルラさんに呼ばれる。
「はい。」
少しだけ微笑んで返事をし、ベッドで横になっているカルラさんの元へ脚を運ぶ。
何も考えずに、何も躊躇わずにカルラさんの上に乗る
そうすればホラ、カルラさんは優しい笑みを浮かべ私の頭を撫でてくれる。
そして、私は首を差し出すの。
『浄化は終わっているのだがな...。』
カルラさんの唇が首に触れる
「・・・あッ」
首に何度もキスをされ声が漏れ出す
「んっ・・・ふッ・・・」
鎖骨を舐めあげられ身体が震え、思わずカルラさんに抱き着いた。
「ククッ・・・どうした?」
そして又優しく頭を撫でられる
「血、を・・・・吸わない・・・の、ですか?」
高鳴る胸を抑えカルラさんに問う
「───・・・今はいい。」
「・・・そうですか。」
気付けばカルラさんの『浄化』を待ち望んでいる私。
私はカルラさんから降りベッドの縁に腰掛けた。
呼ばれた気がして振り向くが、目が合った瞬間
「・・・いや。」
と、言い残し部屋を出て行ってしまわれた。
ベッドに身体を沈めた私は、始祖の人形・・・・文字通りだ。
人形に感情など必要ない。
そうでしょ?カルラさん?
「・・・?」
ずっと聴きたくて、ずっと聴きたくなかった声。
扉の前にはシンくんが居た。
なんで?今は会いたくないのに、こんな私をみないで欲しい。カルラさんの牙を欲しがる私を...
「アンタなにしてんの・・・」
私の気持ちを無視して足音は近付く。
「兄さんの牙はそんなに気持ちいいわけ!?」
シンくんは俯く私の顔を無理矢理上げた。
「───・・・ひっどい顔・・・泣いてんの?」
そんなに哀しそうに笑わないで抱きしめたくなる。
「・・・泣いてない」
「あっそ。」
親指で私の涙袋をなぞるシンくんの指は、
少しだけ震えている気がした。
「アンタ・・・」
「シン何をしている?」
シンくんは振り返り言葉を呑み込んだようだった。
「カルラさん違っ────!」
「黙れ・・・。」
「はい・・・。」
カルラさんが手を差し伸べた・・・
私はシンくんを見ないように、
戸惑うこと無くカルラさんの元へ駆け寄った。