第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―
兄さんに頼まれた用事を済ませ部屋に戻る。
「なんだ居ないのか。」
美味いナッツを手に入れたから、食べさせてあげようと思ったんだけど・・・まぁいいか。
そのままベッドに寝転ぶ
着替えは・・・したようだね。
・・・兄さんに浄化でもされて───・・・。
当たり前の事に、いちいち不快感を患っててもしょうがない。
って・・・頭では解ってる。
「やめやめ寝よ。」
ほんのりの香りが残る枕に顔を埋めた...。
ふと目が覚める
まだ戻ってない・・・か。
にしても、そろそろ登校の時間じゃない?
は学校には行かないとしても、兄さんはそういう訳にはいかないからね。
身体を起こし身支度を整えリビングへ向かう
が、待てども兄さんは来ない。
「どれだけ浄化してるのさ...」
の事を考えるだけで苛立つ。
────結局兄さんが学校に来ることはなかった。
「兄さん!?
居るんでしょ?兄さん?」
ノックと共に問い掛ける。
「何だシン。」
「何だ・・・って扉位開けてよね」
部屋の扉が開き、兄さんが出てきた・・・強いの匂いと共に。
「・・・やっぱり浄化してたんだね。
が戻ってこないわけだ。」
「シン。
がお前の元に戻る事は無い。」
「どう・・・いう事?
兄さんがオレの部屋に住ませるって言ったんじゃない。」
「がそれを望んだのだ。」
はぁ?
「・・・そう。
分かった。」
物わかりの良いフリをして、足早に自分の部屋へ戻った。
「は始祖の・・・
いや始祖王の人形でしかない。」
どうなる事もどうする事もできない。
だってオレは、始祖王じゃないから...。
────その日からがオレの部屋に戻って来ることはなかった。
兄さんから薫るの香りが日に日に増していく・・・
兄さんがを殺す事は有り得ないけど、
こう何日も姿を見ないのは少しだけ心配になる。
そんな事を考えていたせいか、なんなのかは分からないけど脚が勝手に兄さんの部屋まで動いていた・・・
溜息をつけば、扉が開いている事に気付いた。
「兄さん・・・?」
────ベッドには四肢を投げ出したが居た。