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This blood is your thing

第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―



うそ・・・

「・・・痛っ!!」

「ほう。
昨日より大分マシになっているな
・・・シンめ」

牙が挿さる場所から熱が広がっていく。

「な、なんッ・・・で」

「貴様に感情など要らん
・・・んっ」

解ったソレを、カルラさんは要らないと言う。

『浄化』は私の気持ちさえも浄化しているようで
少しだけ理解した“恋”という感情も薄れていく。
始祖王の力なのかな?

何故私は、浄化を受け入れているのかも解らなくなる。

「何を呆けている
まだまだ終わらせないぞ...。」



「・・・っ・・・はぁ・・・」

「声に艶が含まれてきたな・・・」

カルラさんの言葉通り昨日よりも、シンくんよりも長い浄化に頭がおかしくなりそうだ。
どれだけの時間が経ったの?

「んッ・・・あ・・・ッッ・・・」

気を失ってしまえば楽だろう・・・だけど身体と心はそれを赦さない
その代わりに涙が溢れ始めた。

「・・・面倒だ。」

口元を拭いながら舌打ちをされた

「立て。」

カルラさんは立ち上がり私を呼ぶ。

やっと終わった浄化に安堵したが、立ち上がろうにも全身に力が入らず床に手を付いてしまう。
このまま寝てしまいたい。
その拍子にシンくんのネックレスが目に入る。

そうだ。
はやく・・・はやく綺麗にならなくちゃ
───私はキタナイカラ。

涙を拭き無理矢理脚を立たせる。

「まだ・・・大丈夫です。」

「面白い。」

「っえ!?」

カルラさんはいきなり私を抱き上げた

「大丈夫なのだろう?」

口角を上げ牙を覗かせる。

あ・・・カルラさん笑うと可愛い
口には出せないけど。

なんて考えいる間に知らない部屋に居た。
カルラさんの香りがするから、カルラさんのお部屋なのかな?

「ベッドが汚れてしまいます!」

ベッドに降ろされそうになるのを制止する

「私のベッドでは不服か?」

「いえ、あの・・・えっと」

「まぁいい。」

私をベッドへ下ろすその動作は驚く程に優しかった。

「えっ・・・」

「大人しく目を瞑れ
私も横になる。」

「はい...。」

何故わざわざベッドまで運んでくれたのだろう?
その優しさに戸惑いながらも、
目を閉じればあっという間に眠りに堕ちた。



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