• テキストサイズ

This blood is your thing

第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―



カルラさんの声を待たずに隣に腰をおろす。

眉一つ動かさずに読書を続けるカルラさん

そんなに面白い本なのかな?
カルラさんの持つ本を覗き込む。

内容は、病・・・4つの種・・・始祖王──・・・

「おい。」

「ハイッ!」

耳元で急にカルラさんの低い声
それに驚き、声が上擦ってしまう。

気付けばカルラさんの視界を遮り本を読んでいた...。

慌てて離れる様に座り直す。

「カルラさん。何故私の血を、吸うのですか?」

深呼吸をして問い掛けた

「何かと思えば下らない。
浄化だ。」

えぇ・・・全く解らないよ。

「浄化・・・ですか。
私そんなに汚いですか?」

「・・・そうだな」

その言葉にとても悲しくなる。
シンくんも私を汚いと思っているの?
そうか・・・だから私は『浄化』されたんだ。
・・・別に、シンくんなんかどうでもいいに。

「そう・・・ですか・・・
浄化が終われば綺麗になれますか?」

カルラさんは短く「あぁ。」とだけ、答えた

「じゃあ早く浄化して下さい。」

「ほう・・・自ら浄化をせがむ、と?」

「綺麗になりたいんです・・・
もう1つ気になる事があるんですがいいですか?」

「言ってみろ。」

「はい。
・・・シンくんの事なんです。」

「シン?アイツがどうしたと言うのだ。」

「一緒に居るのが辛いんです。
胸は苦しいし、一緒に居なくても
シンくん事が思い浮かんで・・・」

「・・・ククッ。
さあな。私には解らん。」

カルラさんは本を閉じながら言い、私の膝の上に一冊の本を乗せた。

私はなんとなくその本をパラパラと捲る。
そしてあるページに目を惹かれた。

恋・・・高鳴り・・・・・・意識してしまう・・・傍に居たい・・・嫉妬・・・・・好き・・・・・・?

「カルラさん!
これ・・・じゃあ私っ・・・!?」

言い終わるより早くカルラさんに押し倒された。

───え?

「なんだ?」

目と鼻の先にカルラさんの綺麗な顔が近付く

そしてシンくんの跡に指を添えた・・・

「さぁ早く応えろ。
・・・さもなくば此処に牙をたてるぞ?」

これが恋なのかあやふやだけど、シンくんの牙の跡だけは消されてしまいたくない。

「・・・私、多分シンくんが好きなんです
だから・・・」

「そうか」

シンくんの牙の跡にゆっくりと牙が挿し込まれた。




/ 69ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp