第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―
オレの上でだらしない顔をしている。
その顔悪くないよ
「っ・・・応えなよ。」
答えさせる気はさらさらないけど。
だってアンタの甘ったるい声が、瞳が、答えでしょ?
「シン・・・くッ・・・んン・・・」
ククッ・・・たまんないね。
アンタが知らない痛みを、与えてみたい。
汚したい・・・って、何考えてんだか。
匂いにあてられただけで、特に意味なんかない
意味は・・・ない。
は兄さんのモノ。
だけど、少しだけなら────
良く見知ったシャツに手をかけて首元を露にさせる
「・・・アンタには紅色が映える
ねぇ?そう思わない?」
「ッ・・・えっ?」
まっさらな肌に牙を挿せばは苦痛に顔を歪めた。
その表情、悪くないね。
「んっ・・・!」
逃げないように腰を引き寄せ抱き締める。
だってあまりにもオレを誘う味だから・・・
密着すればする程に酔っていく。
必死でオレにしがみついているアンタは甘い声で、顔で
「・・・嫌いじゃない・・・よ
んっ・・・く・・・」
「やぁ・・・ッ・・・もっ・・・───。」
ねぇ。夜明けまでこのままでいようか?
そんなくだらない考えが浮かんでは消える。
知らないだろうけどさ、それ程にアンタの血はオレをおかしくさせる。
オレがおかしいのか、アンタがおかしいのか、分からなくなりそうな程に
「堕ちた・・・か。」
人形の様に、だらりとオレにもたれかかる
「こんなに吸われたの初めてだったの?」
そうであってほしいと・・・応えがないと解っていて問い掛ける
軽く頬を撫でれば涙が指に触れた
指についた涙をみて何故か苦しさに押し潰されそうになる。
「なんでだよ・・・。」
その気持ちを誤魔化す為にを強く抱き締めたけど、苦しさは募るばかりだった。
必死に目を瞑る。
浮かぶのはの顔。
「わけわかんない。」