第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―
シンくんの匂いがする。
懐かしいな。
ふわふわな身体を抱きしめたくて手を伸ばす。
・・・あれ?
ふわふわじゃない・・・何故です?
おかしいな。
手を引こうとしたら掴まれ、驚いて目を開ける。
「え?シンくん・・・?」
「なに?アンタ。
さっきから・・・」
ちょっ・・・と待って、近い。
シンくんの手が私の髪を掻き分け耳に触れる
それと同時に私の身体が跳ねる。
「へぇ。
じゃあさ・・・こっちに、来なよ!」
牙を覗かせ笑う彼の上に乗せられてしまった。
「やッ・・・!!」
「これじゃあ全然見えないや。」
そのまま起き上がるから、私は焦って顔を逸らす。
「アンタが横向いたら
起き上がった意味ないんだけど?」
「ねぇ?」と耳に唇が触れる。
「やめてっ・・・!!」
押し退けようとした両手はカンタンにシンくんに絡め取られ抵抗出来なくなる。
「終わり?」
嘲るように言うから、反抗する為にシンくんに向き直った。
「だって・・・っ・・・!?」
「本当バカな子・・・」
唇と唇が重なった・・・
私は驚き、シンくんの唇を噛んでしまう。
「ごめん..」
シンくんの唇には血が滲む。
「だからさぁ・・・」
シンくんは笑う楽しそうに、笑う
「ねぇ。血、拭いてくれない?
このままだと服汚れるんだけど。」
「じゃ・・・あ手、放して?」
「イヤだね
アンタには口があるじゃない。」
「・・・やだ。」
「あっそ。
じゃあ・・・続けるよ?」
「・・・・・・。」
わがまま。
恐る恐るシンくんの唇に舌を伸ばす。
「は本当にバカだよね
・・・んっ。」
「っ・・・」
唇を閉じないように指が添えられシンくんの舌が私の舌に絡みつく。
「ンぅ・・・シンくッ・・・」
「あぁヤバイな・・・
ねぇ。すごくいい匂いしてるけどさ
気持ちいいんだ?・・・ん?」
言いながら優しく頭を撫でられて、それにすら...
「・・・ふぁ」
頭がぼーっとする。
「っ・・・応えなよ。」
1度離れた唇が又重なる
「んっ・・・・・」
苦しい。
だけど気持ちいいと思う自分がいる。
私どうしちゃったんだろう。