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This blood is your thing

第4章 始祖遊戯―SeeSawGame―



───は兄さんのモノだ。


少し虐めてやろうと思って近付き、見え隠れするうなじに唇を寄せた

たったそれだけなのに、甘美な声が聴こえたから困る。

兄さんの話によれば逆巻家の者らしい
じゃなきゃ魔界で普通にしていられるワケないもんね。
素直で無垢で・・・は、アイツ等に余程大事に育てられたに違いない。

まぁ末っ子で、女だし仕方ないか。

それにしても、同じ部屋・・・ネ
兄さんのことだから、逃げないようにオレの部屋にしたんだろうけど。

オレが手を出すとは考えなかったわけ?

ん・・・?
オレが、に手を出す・・・?

「有り得ない・・・でしょ。」

くだらない。

部屋の扉を開けて目に入ったのは、ソファーにもたれ掛かった。

オレは盛大に溜息をつく。

「せめてソファーに座って寝てよね。」

頭を軽く叩いて起こそうと試みるが起きる気配はないし、髪も乾いていない

やっぱりこの子バカなんだよね。

「起きなよ。そんなとこで寝てないでさ。」

「ん、うるさいレイジさん・・・眼鏡。」

「なに?シュウの次はレイジなわけ。」

無性にイライラする

って、なんでオレがイライラしなきゃなんないの。
放っておいてベッドへ向かう。

「はぁ・・・。」

ベッドに横になるけど、気になって結局ソファーまで戻り座る。

この子が寝ていて良かった。
不快感を隠せないから、当たってしまいそうだ

今日のオレはおかしいね。

「・・・ククッ」

笑える。

どうにもならない感情に時間なんて割いてられない。

「ねぇ。起きなよ。」

面倒臭いけど

「やれやれ・・・っと。」

を抱き上げる。

ここまでされて起きないなんて大丈夫なわけ?
少し心配になる。

ベッドへ降ろすが、勿論起きる気配はない


別に、濡れた髪が厭らしいなんて感じないし。

少し開いた唇にそそられたりなんてしてないから。

その白い肌に牙をたてたいだなんて思ってないから。

だから早く目をあけてくれない?

それに、部屋の主より先に寝るなんて生意気。




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