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This blood is your thing

第3章 心臓に流れる紅い確執



シンくんが戻って来た。

「おかえりなさ・・・」

彼の姿が目に入るなり私は焦った。
濡れた髪・・・それにいい匂い。
・・・って、兄じゃないオトコのヒトだから新鮮なんだよね?

「なに?」

怪訝そうに私を見返すから、慌てて顔を逸らした
そんな私を他所にシンくんは指笛を吹く

どこからとも無く1匹の狼が現れた。

「こいつの後ついていきなよ。」

と、衣類を渡された

言われた通りに狼の後をついて行けば、バスルームに辿り着く。

「有難う。」
そっと狼を撫でれば、満足そうに帰っていった。

結構狼っているものなのかな?
シンくんとは違った毛色だったな。
そんな事を考えながらシャワーを浴びるも・・・
なにせ他人様のお家勝手が解らない。
タオルを探す。

「あった!」

ふと先程のシンくんを思い出しフリーズしてしまう。

なに?もう・・・

濡れた髪も程々にシャツを羽織るが、シンくんの匂いがして・・・

「あぁ・・・なに!?よく解らない。」

心が騒めく・・・と言うのが正しいのだろうか?
それすらも解らない。
考えるのも面倒になり、その場に座り込む。

あ・・・床気持ちいい。
素足に触れる床が熱い身体を冷してくれる

シャワー浴びたばかりだから熱いんだもん。
決してシンくんのせいじゃない。

・・・このまま寝てしまいたいな
私の悪い癖。

いつからこんなに寝るようになったのだろう?

私がソファーでうとうとしていれば

「どきなよ。」

と、いつもシュウに邪魔されて

「ん。」

ちゃんとシュウの座るスペースをつくるが、決まってシュウは私の脚を膝枕にしていた。

私も決まってシュウのイヤホンを片方奪う

「新譜?」

「あぁ。」

そのまま寝ては、レイジさんに怒られながら起されていた。
学校行くギリギリ迄寝ているシュウが悪いけどね。

「なぁ代わりに行くか?」

「いいの!?」

「いいわけないでしょう?」

「いいんじゃねぇの?」

「行きたい!!」

「だめです。」

思い出すと笑えるなぁ。

結局まともには通えなかった高校。


・・・駄目だ本当に眠い。

辛うじてシンくんの部屋迄辿り着き、ソファーにもたれ掛かる。

「シンくん・・・何処に行ったんだろう?」




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