第10章 趣味【チョロ松】
ほのかside
チョロ松さんとの息ピッタリの演奏の後、
『彼と会ったことがあるかもしれない』
そう思って 色々な思い出を並べていった。
でも…それを遮るように頭がズキズキと痛み始めた。
次第にその痛みが強くなっていき、
ものすごい吐き気を感じた。
ついには全身が痙攣し始め、気持ち悪い汗が出てきた。
こんな人がたくさんいる中、吐いたらチョロ松さんに迷惑をかける。
そう思って私はトイレに向かおうとミュージックショップを抜け出した。
彼が私を呼び止める声が聞こえるけど、
早く楽になりたいの一心で、彼との距離はどんどん離れていってしまった。
よく前を見ないで走ったため、ドンっと強く誰かにぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい………っう!」
よほど威力を出して走っていたためか、
ぶつかった衝撃で頭がよりクラクラして私の意識はそこで途絶えた。