第10章 趣味【チョロ松】
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僕が連れてきたのはミュージックショップ。
実はほのかちゃんは昔ピアノが得意で、よく僕がバイオリンを弾いてたら一緒に演奏してくれた。
もしかするとほのかちゃんはピアノを見たら何か思い出すかもしれない。
そう思ってここに連れてきた。
「チョロ松さん!これって弾いてもいいんですか?」
ほのかちゃんが選んだ楽器はピアノだった。
やっぱり覚えていたりするのかな…
チョロ「いいんだよ。ピアノ好きなの?」
いけない…あまり深く詮索するなって言われたのに…
私欲に負けて聞いてしまった。
「好きっていうか…趣味の一部ではありますね。」
チョロ「そ、そうなんだ!どんな曲弾くの?」
「え〜っと…例えば、こんなのとか?」
ほのかちゃんが奏で始めたその曲は、
僕らが一緒に組んで出場した、コンクールで弾いた曲だった。