第7章 再度
チョロ松side
あぁ、やっぱり。本当にほのかちゃんは記憶を書き換えられちゃったんだ。
僕等のことなんて全く覚えていないんだね。
悔しさから溢れそうになる涙をぐっとこらえる。
実は若草ほのかちゃんは僕等の幼馴染で。
物心ついたときから中学校2年生まではずぅっと仲良しだった。
ほのかちゃんは両親がいなくって、デカパン博士が親代わりみたいなもんだった。
でも中二の夏休み、僕等六つ子とほのかちゃんが夏祭りに行ったとき、彼女は失踪してしまった。
そらで今に至るわけだ。
できればこのことを彼女にありのままに伝えてあげたいけど、
デカパン博士からは ダメだと言われている。
理由は単純。
もしほのかちゃんにこのことを伝えたら、
もしかすると記憶障害を起こして、脳に障害を負わせてしまう危険性があるから。
ゆっくりでいい。焦らないで、僕たちのことを思い出してほい。
とだけ、僕は彼女に伝えた。