第6章 記憶➀
顧問の先生にスコア表を届けに行っただけなのに
その後なぜかガミガミ怒られて、気づけばもう辺りは真っ暗だった。
「ひゃぁ〜…夜道ですなぁ。」
自転車に跨り、学校の校門をでると、そこには人影があった。
「???あっ!部長さん!」
「なぁ、若草。送ってくよ。暗いしさ」
「えっ!いいですよ!そんな。それに部長、家反対方向じゃないですかー!」
「いいよ、送ってく。」
「申し訳ないので、いいですよー!部長は明日の試合に備えて、ゆっくり体を休めてください!それでは!」
ペダルにに足をかけたとき、部長は自転車を蹴り、そのまま自転車が大きく偏り、サドルに乗ったまま私は倒れてしまった。
おかげで片足はジンジンと痛む。
「いてて〜…ちょ、ちょっと、部長!」
大声をあげた瞬間、倒れた私に部長が近づいて来て、
何かブツブツ言い始めた。
「若草ぁ…なんなのお前。やっぱり男がいるんだろう。
せっかく人が好感度アップさせようとしてもいつもお前は断るだけ。少しはこっちのことも考えろよ。なんでいつも俺ばっかりがこんな思いをしなきゃいけないわけ?
俺をみて。振り向いて。」
部長はそういうとカッターを取り出した。
「え?」
恐ろしい光景に目をみはる。
「そうだ。初めからこうすればよかったんだ。
俺無しじゃ歩けなくなればいい。そうすればずっと一緒、俺がお前を一生支えるから。」
部長はカッターを私の足首めがけて振り下ろした。