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私立ウィスタリア学院~新米教師とイケメン教師たち

第2章 教務の先生


熱の残る頬に手を当てながら
アヤセは来るように言われていた
教務室へと急いだ。

トントン…
「失礼します。今日からお世話になるアヤセです。」

「おはよう!待ってたよ!アヤセ先生!」

そこにいたのは
大きな瞳で歓迎するかのように
笑みを浮かべた男性だった。

「俺はユーリ。
教務全般を担当してるんだ。よろしくね!」

(なんかかわいらしい先生だな…)
「よろしくお願いします。」
アヤセの顔が思わずほころぶ。

「早速なんだけど、
パソコンの設定だけでも
今やっておいて欲しいんだ。
といってもパスワードを
入力してもらうだけなんだけどね。
この画面のこの場所に
好きなパスワード入れてね。
俺は後ろ向いてるからさ。」
ニコッと微笑むとユーリは後ろを向いた。

アヤセはパパっとパスワードを入力すると
「できました。」
とユーリを呼ぶ。

ユーリはマウスを握ると
「オッケー…そしたらこれをこうして…よし!
これでアヤセ先生も
学院の共通サイトにアクセスできるからね!」

「ありがとうございます。」
(さっきあんなことがあったせいか
なんかホッとするなぁ)

「どういたしまして!」

そういった瞬間、ユーリの目がキラッと光る…
「アヤセ先生、もしかして口紅新色?」

「えっ…どうしてそれを…?」

たしかにアヤセのそれは
お気に入りのブランドの新色だった。

「フフっ当たりだ。」

アヤセは首を傾げる。

「いや、実は新色かどうかなんてわからないんだ。
これは俺が考え出した持論とでもいうか…

4月に新しい環境に身を置く女性なら
誰でも気合いは入るでしょ?

そんな女性が気合いを入れるためどうするか…
きっと化粧品じゃないかなって。
だって春は化粧品の新色が続々出るでしょ?

お気に入りのブランドの
春の新色を身につけて
新しい環境に挑む…
きっとアヤセ先生みたいな素敵な女性なら、
こうするんじゃないかなって思ったんだ。」

「す、素敵かどうかはわからないけど、
…そ、その通りです…」
アヤセは言い当てられたことが
恥ずかしくて顔を伏せると
そこにユーリが近付いてきた。

「ねぇ…よく見てもいい?」

「えっ…」
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