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Everlasting Lovers *ディアラバ*

第10章 生贄の花嫁




首にかかっていた力が少し弱まった。


「 ………様っ⁈ 」

息を吸うのに必死で 吸血鬼が言ってたことは よく聞き取れなかった。


「 その娘を下ろしてやれ。」

「 でもっ こいつ なんかおかしくて、、」

「 聞こえなかったか? その娘を下ろせ。」


新たに現れた吸血鬼がそう言うと、私の首をつかんでいた吸血鬼は渋々といった様子で私から手を離した。私を助けてくれた吸血鬼と目があう。


「 … おいで。俺はお前の味方だ。」

そう言うと その吸血鬼は手を広げた。目から嘘は感じられず その腕に飛び込む。 私を優しく抱きとめると他の吸血鬼を睨みつけ、彼は言った。


「 人間を殺すのは協定に反した行為だが?」

「 いや〜 別にちょっと味見しようとしたくらいですよ。」

「 そうは見えなかったが?」


そう彼が冷たく言い捨てると、3人の吸血鬼は焦った様子を見せると、いきなり逆上した。


「 そうですよ。大体なんで人間なんかとの協定を守らなきゃいけないんだ、たかが短い命の家畜のくせに!」

「 人間は、俺らに大人しく従っとけばいいんだよ!」


私を抱きしめた彼はそっとため息をついた。

「 それがお前達の答えか。取り締まる必要があるな。」

そう言うと 私に向かって微笑む。

「 お前は少し離れて目をつぶっていなさい。すぐ終わる。」


言われた通りにした瞬間、甲高い断末魔が聞こえた。

「 まだ目を開けるんじゃない。」


そう戻ってきた彼は言うと、私を抱き上げ歩き始めた。


「 安全なところまで送ってやる。」

緊張の糸が切れた私は、ゆらりゆらりと体が揺れるたび眠気に誘われ 目を閉じていった。

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