Everlasting Lovers *ディアラバ*
第11章 それぞれの想い
ここ数日、この男の目を盗んで調べてたから後ろ姿は飽きる程見てきたがまともに話すのはいつ振りか…
「……」
父親とは言え、何を考えているのかわからない。息子をどういう存在に思っているのすら掴めない男だ。こいつに隠れて調べてたのも、面倒くさいことに巻き込まれたくなかったからだ。それに自分の弱みを見せて付け入る隙を見せたなかった。
「だんまりか。久しぶりに会った父親に対する態度ではないな。」
俺を鼻で笑うと、ソファに座りこう言った。
「ここに来るのはリリだと思っていたが、当てが外れた。まああいつは忍び込まず、俺に直接聞いてくるだろうが。」
リリ…思えば不思議であった。なんでこいつはリリを屋敷に来させたのだろう。確かにあいつはヴァンパイアハンターで普通の人間ではない。だからといって、生贄の花嫁のように俺たちやこいつに関係がある存在ではないはずだ。あいつを何かに巻き込もうとしているのか…?
「なぜリリがここに来ると思った?いや、あんたはあいつを何に利用している?」
「利用しているとは人聞きが悪いな。俺はあの子の協力をしているだけだよ。」
「あんたが何の見返りも無しに協力なんかするわけないだろ。言えよ、あいつを何に巻き込もうとしている。」
妻や息子たちに愛情を持っているのかすら怪しい男だ。こいつに人助けなんで概念はない。
「シュウ、お前のことはもう少し賢いと思っていたがな。そう聞かれて素直に答えると思うか?」
嘲笑うように俺を見ると、立ち上がり、分厚い書類を手に取った。
「…まあいい。出来の悪い子供に教えるのも親の役目だ。まず一つに、リリのことだが悪く扱う気はないさ。ただ俺の望みを叶えてはもらう。協力する代償としてな。それは本人も了承済みだ。」
無造作に放り出された書類を掴むと、読めと促される。開くと、そこには、、、
「…おい。なんであいつらの母親の書類を。」
親父は、また俺を鼻で笑って言った。
「二つ目だ。あの火事について知りたいんだろ?お前が求めている答えだよ。」
その書類はあいつらの母親。こいつの第一夫人のことが書かれていた…